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元兵庫県立大学経営学部教授 吉田照彦名誉教授が「瑞宝中綬章」を受章しました

令和8年春の叙勲において、元兵庫県立大学経営学部教授の吉田照彦名誉教授が、「瑞宝中綬章」を受章しました。

「瑞宝中綬章」は、長年にわたり公務等に従事し、成績を挙げた方に授与される勲章です。
吉田名誉教授は東京都出身で、東京工業大学経営工学科(現 東京科学大学)を卒業後、東京工業大学大学院工学研究科修士課程を修了し、旭硝子株式会社(現 AGC株式会社)、大阪大学での勤務を経て、1978年に本学の前身である神戸商科大学に講師として着任しました。その後、助教授を経て、1989年に教授に昇格、1991年には神戸商科大学商経学部経営学科長および大学院経営学研究科長を兼任しました。2004年には大学統合により兵庫県立大学経営学部教授に、2010年からは兵庫県立大学大学院経営研究科教授となり、2012年3月末に定年退職するまで本学の教育・研究に努め、2012年に名誉教授となり、今日に至っています。また、1979年には大阪大学で工学博士の学位を取得しています。

 

吉田名誉教授の専門は、生産管理および生産システムで、工場におけるスケジューリング、生産管理システムなどの研究を経て、日本の代表的な製造業の1つであるトヨタ自動車株式会社のトヨタ生産システムに関する研究を行いました。また、1979年10月から6か月間、東京工業大学工学部で「多品種少量生産におけるスケジュールに関する研究」を行い、さらに、1989年9月から10か月間、米国のカリフォルニア大学で「多品種少量生産システムに関する研究」を行い、これらの成果は、「Group Technology(Applications to production management)」(共著)(1985年Kluwer-Nijhoff Publishing)、「生産システム理論」(1991年 工学研究社)、「CIM総論(コンピュータによる設計・生産・管理第2版)」(共著)(1993年 共立出版)、「トヨタ生産システムの基本的考え方」(2010年 神戸商大創立80周年記念論文集)等の著書や論文等として結実しました。

 

学内においては、特に、1991年に経営学科長および経営学研究科長を務めていた際に、大学院博士前期課程に、企業や官庁等に在職している社会人を対象とした大学院社会人コースを設置することに尽力したほか、2000年から2年間、学生部長として学生の教育と生活環境の向上に力を注ぐとともに、部局長として副学長的な立場で大学運営の円滑な推進に努めるなど、教育や大学の管理運営にも貢献しました。また、学外においても、1988年9月からの2年間、日本学術会議経営情報研究連絡委員会委員として、学術会議シンポジウムでの発表や、学術会議報告書を作成するなどしたほか、2007年からの2年間については、大学の質的向上を目的とした財団法人大学基準協会(現 公益財団法人大学基準協会)の「国際マネジメント系専門評価分科会委員」として、評価者研究セミナーへの出席をはじめ、申請大学等についての所見の作成、分科会報告書の作成等を実施するなどの貢献をしてきました。
以上のように、吉田名誉教授はこれまでの教育・研究活動や社会貢献活動における功績が認められ、このたびの受章となりました。

 

このたびの受章を受けて、吉田名誉教授からコメントをいただきました。

 

令和8年春の叙勲に際し、瑞宝中綬章を受章する栄誉を賜りました。私の40年近くの教育・研究活動に対し、評価をいただき大変嬉しく思います。今日まで長い間、ご指導・ご鞭撻をいただいた、恩師や多くの先輩・同僚・友人および大学の関係者の皆様に感謝いたします。また、私をいつも温かく支えてくれた家族にも感謝します。
私は、東京工業大学で学部・修士課程を通し、故人見勝人教授(京都大学名誉教授)に厳しくも温かいご指導をいただきました。卒業後は旭硝子に就職しましたが、しばらくして人見先生よりお声がかかり、大阪大学に先生の講座の助手として採用され、研究生活をスタートしました。その間、教育・研究者としての心構えを教えていただきました。その後、神戸商科大学に移り、兵庫県立大学で定年を迎えました。私の教育・研究者としての道を開いていただいた恩師である人見先生に深く感謝いたします。
私の研究は、経営学の一分野である生産管理・生産システムですが、その中で代表的なものは、トヨタ自動車のトヨタ生産(JIT)システムの研究です。この「物づくり」のシステムの核心は「作業員の改善マインド」で、人が中心のシステムです。このシステムと、近年、進化著しいAIがどこまで融合できるのかが、現在の私の大きな関心事です。

 

これまでの教育・研究活動では多くの思い出がありますが、その中の一つが海外経験です。1983年に米国のエバーグリーン州立大学に交換教授として、1989年に米国のカリフォルニア大学への留学、1992年には中国の西南交通大学より招聘を受け、日本の生産管理について3週間にわたり集中講義をしました。しかし、中国では出国直前に足首を骨折してしまい、足にギプスを、手に松葉杖での講義を余儀なくされました。
私の長年にわたる教育・研究活動は、阪神・淡路大震災の悲しい時期を除き、多くの先輩や同僚、また学生にも恵まれ、本当に楽しいものでした。ここに改めて感謝いたします。

 

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