記事検索

  • 学部・組織・所属

  • 記事のテーマ

「多くの方の人生の節目となる場で」兵庫県立大学看護学部合唱団LARIMARが学歌斉唱本番を迎えるまで

3月26日(木)に開催された令和7年度学位記授与式と、4月7日(火)に開催された令和8年度入学宣誓式において、兵庫県立大学看護学部合唱団LARIMAR(ラリマー)に所属する学生たちが学歌斉唱を行いました。
本記事では、学位記授与式および入学宣誓式において学歌斉唱をした学生たちの本番を迎えるまでの取組などをご紹介します。

 

音楽が好き、歌を歌うことが好き-看護学部合唱団LARIMAR

兵庫県立大学看護学部合唱団LARIMAR(以下、合唱団LARIMAR)は2017年4月に発足し、明石看護キャンパス内の講堂を拠点に活動しており、2026年4月現在、2年生3名、4年生5名の計8名の学生が所属しています。入部前から声楽や合唱の経験がある学生もいますが、大学に入ってから合唱をはじめたという学生が大半です。看護実習などの学業に合わせながらの活動であるため、活動日は不定期ですが、看護学部の学部祭である欅まつりをはじめとしたステージや、地域での訪問演奏などの出演予定に合わせて、主に木曜日か金曜日の5・6限に集まって練習しています。選曲は、学生たちで行っており、本格的な合唱曲やディズニー曲、J-POPなどの幅広いジャンルの中から選んで決めることが多いといいます。

2024年度に開催された「欅まつり2024」出演時の合唱団LARIMAR

 

合唱団LARIMARの学生たちは、2024年11月17日(日)に本学が兵庫県立大学創立20周年・創基95周年記念式典・座談会を開催した際に学歌を斉唱していたことから、令和7年度学位記授与式および令和8年度入学宣誓式で学歌を斉唱することとなりました。

合唱団LARIMARからは4名が出演

 

兵庫県立大学学歌

兵庫県立大学学歌は、全国から公募した歌詞に、本学の熊谷信昭初代学長が歌詞補作を行い、世界的に有名な作曲家の三枝成彰氏に作曲いただいたもので、2007年4月5日に行われた入学宣誓式で初めて披露されました。以降、コロナ禍を除いて、入学宣誓式や学位記授与式などの式典において、マンドリンや管弦楽、ピアノ伴奏付きの合唱など、さまざまな形態で演奏されており、コロナ禍が明けてからは「ピアノ伴奏付きでの独唱または斉唱」の形で歌われています。

 

学歌歌唱レッスン

合唱団LARIMARの学生たちは学歌を斉唱するにあたり、歌唱指導を受けました。ご指導いただいたのは、兵庫県公立大学法人理事(2021年4月から2026年3月末まで兵庫県公立大学法人経営審議会委員)で、神戸親和大学名誉教授の山本裕之先生です。
山本先生は声楽家(テノール)で、長年、神戸親和大学で教員として教壇に立たれる傍ら、ジュゼッペ・ヴェルディ作曲オペラ「アイーダ」のラダメスをはじめ、ジャコモ・プッチーニ作曲オペラ「ラ・ボエーム」のロドルフォ、オペラ「マダム・バタフライ」のピンカートンなど、さまざまなオペラで主役を務められたほか、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲「交響曲第9番 ニ短調 作品125」(通称「第九」)については、テノールソリストとして62回出演されるなど、声楽家として数多くの舞台経験をお持ちで、現在も精力的に音楽活動を展開されています。
また、2023年に本学の創立20周年・創基95周年記念事業の1つとして、県内の声楽家の方4名とピアノ奏者の方による「学歌」の音源制作を実施した際には、音楽監督を務めていただいたほか、2024年には創立20周年・創基95周年記念式典・座談会で学歌を斉唱する学生たちに歌唱をご指導いただきました。

 

学歌歌唱レッスン1回目

2月27日(金)に行われた1回目のレッスンでは、はじめに、歌を歌い始める前の準備および基礎練習の方法を教わりました。学生たちは山本先生と一緒に発声のためのリラクゼーション体操および腹式呼吸の練習、発声練習を行い、歌唱をする際の腹筋の使い方や、体から力を抜くことの大切さなどを学びました。

その後、学歌の練習に入り、まずはピアノ伴奏なしで、1番から3番まで順番に歌詞の確認をし、フレーズごとにイメージや表現方法、歌唱における技術的なことなどについて丁寧にご指導いただきました。その中で山本先生は、「曲全体を通して言えることは、学歌というのは『県立大学の精神を共有するための象徴』であるので、凛々しく、生き生きと、母校愛に満ちて歌ってほしい」と学生たちに語りかけられました。

無伴奏での練習後、ピアノ伴奏つきで1番から3番まで順番に練習し、最後に通し練習をしました。

 

学歌歌唱レッスン2回目

令和7年度学位記授与式の3日前にあたる3月23日(月)に行われた2回目のレッスンにおいても、1回目のレッスンと同様にまずはリラクゼーション体操から始まりました。

 

リラクゼーション体操

 

発声のための腹式呼吸の練習(「腹筋を使って息を吐きながら短く切る」という動作を歩きながら実施)

 

リラクゼーション体操と腹式呼吸の練習後、ピアノの周りに集まって発声練習をしました。発声練習では、音を滑らかにつなげる「レガート唱法」で半音ずつ音を上げていく練習のほかに、声楽学習者が発声や音程などの声楽の基礎技術を学ぶために勉強する、声楽のための練習曲集『コンコーネ50番(中声用)』(ジュゼッペ・コンコーネ作曲)に収録されている曲や、発声練習のための練習曲も教わりました。

その後、ピアノ伴奏つきで1番から3番まで順番にご指導いただきました。併せて、本番の舞台での立ち居振る舞いなどのアドバイスもいただき、最後に山本先生の指揮なしで1番から3番まで通して歌い、2日後に神戸国際会館で行われるリハーサルに備えました。

 

令和7年度学位記授与式前日リハーサル・本番当日

前日リハーサル

3月25日(水)に行われた令和7年度学位記授与式前日リハーサルでは、学生たちは本番で共演するピアノ奏者の方と初顔合わせおよび合わせ練習を行いました。学歌斉唱のリハーサルが始まるまでの間、山本先生のご指導のもと、リラクゼーション体操や発声練習をしてリハーサルに備えました。リハーサル開始後は、ピアノ奏者の方と曲のイメージやテンポ、タイミングなどについて擦り合わせをしたり、舞台での立ち位置の確認をするなどしました。

 

令和7年度学位記授与式当日

翌日の3月26日(木)、学生たちは「1回目の本番の舞台」となる令和7年度学位記授与式に臨みました。午前中に学歌斉唱リハーサルを行い、その後、出番になるまでの間、自分たちでリラクゼーション体操・腹式呼吸の練習、発声練習を行い、学歌の練習をして本番に備えました。そして、式典での学歌斉唱では、卒業生・修了生の門出を祝し、笑顔で生き生きと学歌を歌い上げ、本番の舞台を終えました。

 

令和8年度入学宣誓式前日リハーサル・本番当日

前日リハーサル

令和7年度学位記授与式から11日後の4月6日(月)、令和8年度入学宣誓式前日リハーサルに臨みました。

ピアノ奏者の方との合わせ練習の前に、学生たちはさらにより良い歌唱ができるよう、山本先生にご指導いただきました。

 

ピアノ奏者の方との合わせ練習

 

令和8年度入学宣誓式当日

翌日の4月7日(火)、学生たちは「2回目の本番の舞台」となる令和8年度入学宣誓式の日を迎えました。この日も学歌斉唱のリハーサル後に楽屋でリラクゼーション体操・腹式呼吸の練習・発声練習、学歌の練習を行ってから式典での学歌斉唱に臨み、同じ価値観やつながりを感じることができるよう学歌を通してエールを送りました。

 

本番前の学歌斉唱リハーサル

 

本番での学歌斉唱

 

歌を通して人と人をつなげたい

「入学時に1人で歌われている方を見て、有志の募集があれば私も参加したいと考えていたので、願ってもないお話で、とても光栄でした」と、合唱団LARIMARの部長を務める看護学部2年生の奥原一花さんは、大学から学歌斉唱への出演について打診があった際の気持ちを話します。他の学生たちも、「ぜひ、歌わせていただきたいなと思いました。式典に参加させてもらえることもありがたいなと思いましたし、神戸国際会館の大きなステージで歌えることがとても楽しみでした」「県大生の1人として学歌を歌わせていただけると聞き、誇らしい気持ちと、せっかくお声がけいただけたので頑張ろうという気持ちになりました」「LARIMARの活動では大勢の前で歌う機会がなかったので、この人数で歌うことに少し不安がありましたが、貴重な機会なので挑戦してみたいと思いました」「多くの方の人生の節目となる場で歌わせていただけると聞き、不安もありましたが、楽しみな気持ちがとてもありました」と話します。

 

今回、合唱団LARIMARからは、学位記授与式に4名、入学宣誓式に5名の学生が出演し、そのうち、看護学部4年生の2人は2024年11月に開催された創立20周年・創基95周年記念式典での学歌斉唱にも出演していました。「学位記授与式と入学宣誓式への出演が決まってから山本先生にご指導いただくまでは、4年生の先輩方が創立20周年記念式典の際に学んだことをもとに、今回初めて学歌を歌う私たち後輩に強弱の付け方やブレスの位置を伝え、音楽用語の意味も皆で確認しました。曲の中では軽やかさと音の広がりの違いを意識し、歌詞ごとの意味を感じ取って思いを込めて歌うように心がけました。一方で、歌うことに集中しすぎず、笑顔を忘れずに表現することを大切にしました」と奥原さんは説明します。

 

また、明石看護キャンパスの講堂で2回、各式典の前日リハーサル2回の計4回にわたって受けた山本先生のご指導については、「山本先生にご指導いただき、いつもより何倍も良い声が出てとても嬉しかったです。発声練習では、汽車の真似をしたり、『犬のおなかが』(発声練習のための練習曲)などを楽しく学ぶことができ、先生のお話も印象に残りました。学歌の練習では、自分たちだけでは分からなかった表現の工夫の仕方や声の響かせ方を丁寧に教えていただき、歌う喜びを改めて感じ、とてものびのび楽しく練習に取り組むことができました。式典では、山本先生のご指導を思い出しながら歌うことで、卒業生・修了生や新入学生に思いをしっかり届けられたのではないかと思います」と学生たちは語ります。

 

各自での練習、学歌歌唱レッスンなどの準備を経て迎えた令和7年度学位記授与式前日リハーサルについて学生たちは、「前日リハーサルのときに初めてステージからホールを見渡してみると、客席がとても広く感じて圧倒されました。同時に、この大きな舞台で歌わせていただけるのだと実感が湧きました」「緊張と期待感で胸がいっぱいでした」と話し、併せて、翌日の本番については、「ピアノ伴奏の前奏が始まると緊張で足が震えましたが、笑顔を絶やさずに歌おうと心に決めました」「卒業生・修了生のみなさんの活気がステージまで届き、一層緊張しましたが、失敗せずに練習の成果を伝えたいという思いで精一杯でした」「緊張の中にも大きな達成感が残りました」「緊張がむしろ己を鼓舞し、ステージに上がることで楽しく歌うことができました」と振り返ります。学歌斉唱後の心境については、「本番を大きなミスなく終えられ、安心と楽しさを感じましたが、入学宣誓式もありましたので、達成感よりも学位記授与式の舞台での経験を次に活かしたいと思いました。また、4年生の先輩方は『来年は自分も客席にいるのだろうと感じた』と話していました」と語りました。

年度が明けて、自身も新学年に進級して臨んだ令和8年度入学宣誓式前日リハーサルについては、「前日リハーサルでは、いよいよだなと感じました。ただ、学位記授与式での経験もあるため、そこまで緊張しませんでした。『どんな新入学生が来るのだろう』とわくわくしていました」といい、翌日の本番については「緊張しましたが、『新入学生は私たちよりも新生活に不安を抱いているのだろうな』と考えると、不思議と落ち着いて本番を終えることができました。また、『学歌を初めて聴く新入学生の方がほとんどなのではないか。少しでも心に残ると良いな』と思っていました。学歌斉唱後は、これまで約半年、日常生活の中でも時間ができれば聴いていた学歌とこれでしばらくお別れになるのかと思うと、少し寂しかったです」と学生たちは話します。

 

今回の学歌斉唱に関する一連の取組から得た学びや教訓について奥原さんは、「多くの方々の支えを忘れず、人とのつながりを大切にしたいと思いました。少人数での歌唱は、1人ひとりが正確に歌うだけでなく、互いの声を聴き合うことで一体感が生まれることを実感しました。指揮がない中でも、ブレスのタイミングや表現を話し合い、協力して完成度を高められました。発声練習をすることで、できなかったことができるようになり、努力の大切さを改めて感じました」と話します。

最後に、合唱団LARIMARの今後の展開と、同部への入部を迷っている本学学生に向けて、「合唱団LARIMARは歌うことが好きな人が集う、とても楽しい部です。授業や実習で忙しくても、各自の予定に合わせて楽しく参加できます。現在、部員の半数以上が4年生で、活動の中心メンバーが3人と少ないため、新メンバー募集中です。合唱経験者・未経験者を問わず歓迎します。7月には他大学との合同コンサート出演も決まっており、さらに盛り上げていきたいです。合唱団LARIMARは、歌を通して人と人をつなげる存在をめざしています。学部や学年を越えて、多くの方と音楽の輪を広げていけたら嬉しいです」と語りました。

 

COPYRIGHT © UNIVERSITY OF HYOGO. ALL RIGHTS RESERVED.