環境人間学部 貞末 菜緒さん(左)、奥 勇一郎准教授(右)
貞末: 気象学が専門の奥先生のゼミに入って2カ月。今は、文献を読んだり、先輩のプレゼンテーションを聞いたりという準備段階ですが、早く自分の研究がしたいです。
奥: 2年生の時に私が担当した「大気環境論」という授業がきっかけだったそうですね。
貞末: 福岡の出身ですが、豪雨災害や熊本地震など、身近に自然災害が多くて。なぜ自然災害が起きるかを勉強したかったんです。だから、「大気環境論」はすごくおもしろかった。雨が降るメカニズムや集中豪雨が起きる原因を改めて知ることができました。奥先生は優しくて話しやすいし、質問してもていねいに答えてくれたので、先生のゼミなら楽しく研究ができるかなと思いました。
奥: 神戸地方気象台を訪ねてフィールドワークをしたり、温度計の通風筒を作ってキャンパス内の気温の分布を調べる調査もしましたね。
貞末: あの授業が楽しかったから、ゼミも迷わず決めました。実際に入ってみても、先生との距離が近くて話しやすいし、4年生や大学院生の先輩から学ぶことも多いです。
奥: 3年生からゼミに所属して研究ができるのは、この学部の大きな利点です。2年近く研究ができるので、満足のいく卒業研究になると思いますよ。
貞末: 先輩のプレゼンテーションを聞くとすごいなと思いますし、自分も頑張ろうと思います。ゼミ以外にも、奥先生が担当の「大気科学演習」の授業で、様々な気象データを地図上に描いて可視化するスキルを学んでいます。それも卒業研究につなげていくつもりです。
奥: 気象学の分野は扱うデータが膨大なので、いかに必要な情報を効率よく抽出し、わかりやすくプレゼンするかがキーとなります。その技術的な部分を教えているのが「大気科学演習」。夏休みから研究に取り組めるよう前期に開講していますので、就職活動をする時期には「こういう研究に取り組んでいます」と自信を持ってアピールすることができますね。
奥 勇一郎 准教授
貞末: 大雨を研究したい気持ちは強いんですが、具体的なテーマはまだ決めきれていません。夏までには絞り込みたいと思います。
奥: ひとことで大雨の研究といっても、いろんな視点があります。実際にあった事例にアプローチして大雨のメカニズム解明に迫ることや、過去の観測統計をもとに大雨の地域性を明らかにすること、あるいは気象予測データから将来の大雨の頻度や特性について調べることもできます。卒業研究では自分がいちばん興味を持ったことを掘り下げてください。
貞末: よく考えてテーマを決めるようにします。ところで、先生はいつ、なんで気象学に興味を持ったんですか。
奥: 小学生の頃から竹ひごと紙テープで風速計を作ったり、新聞の天気図をスクラップしたり、天気や気象に興味を持っていました。教員になる前は気象測器メーカーに勤務した経験もあります。おもしろいと思うことをやっていたら、そうなっていました。
貞末: 気象一筋ですね。私もせっかく気象学のゼミに入ったので、いつか気象に関連する仕事ができればいいなと思っています。
奥: 気象学って本当におもしろいです。天気予報を見たことがない人はいないはずですが、そこからさらに深める機会はあまりないですよね。高校でも地学ってマイナーでしょう(笑)。だから、私は気象学のおもしろさに触れる入口のような授業がしたい。温度計の通風筒を作って測定する授業もそんなところから始まっています。
貞末: 私にはぴったりの入口になりました。ずっと頭の中にあった大雨っていうキーワードがはっきりして、将来進む道にもつながっていく気がしています。
貞末 菜緒さん
奥: 研究が本格的になってくると、大変なこともあると思いますが、そればかりではもったいない。いろいろなところに出向いたり、人とのつながりを持つことも大切にしてください。
貞末: 中学、高校とやってきたバスケットボールを続けたくて、大学に入ってからもバスケットボールのサークルで活動しています。体を動かして、汗を流すと、勉強とのメリハリもつきます。ほかの学部の子とも仲良くなれましたし、すごく楽しんでいます。
奥: 同じ分野の人とのつながりも大事ですが、違う分野の人とのつながりは、10年、20年たってから生きてくることもあります。この学部にはさまざまな専門分野の教員が揃っていて、いろんな授業が受けられるし、広い視野を養うこともできます。気象学、大雨という柱を大事にしながら、そういう目線も忘れないでほしいと思います。
貞末: 確かに環境人間学部ってすごくおもしろい学部だと思います。入口や扉がいっぱいありますよね。いろんな先生がいるし、いろんな学生がいる。めざす方向もいろいろだから、周りから刺激を受けることも多いです。大雨の研究はもちろん、ほかにも勉強できることはしっかり勉強していきたいと思います。
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