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県大STORY_2020/迷うよりも、行動。どうやるかより、何のためにやるか。/村上友哉さん

村上友哉さん(経営学部2020年3月卒業)

在学中に靴磨き専門の会社で起業、革靴のリペア販売へ展開

靴磨き専門の会社「株式会社Shoeber」を起業した村上さん。神戸・大阪を中心に多くの顧客を持ち、靴磨きのサービスを提供しています。「働く人を足下から応援する」をコンセプトにビジネスを応援し、中古靴のリペア販売にも展開。オーダースーツやオーダーシューズの販売、セミナーなども開始しており、5年後の目標は年商30億円。村上さんが考える「起業をする」ことの理由とは?

 

ゲーム攻略ブログは、ビジネスに関心を持った原点

中学生の頃からブログで携帯ゲームの攻略法などを書いていました。結構アクセスがあり、そのときは読んでくれて面白いなあくらいにしか思っていなかったのが、大学生になると、なぜ他の人はブログで収益化できているのかが気になりました。調べるとアドセンスなどの広告と連動した収益化などがあり、ゲームブログでの経験を活かせるんじゃないかと思い、1年生のときにWEBメディアのライティングを企業から請け負う仕事を始めました。この仕事で起業できるくらい記事のアクセス数を伸ばし、結果はだしました。しかし、段々と、検索エンジンのルールに沿ってランキングされ相対的に評価されるよりも、自分にしかできない価値を生み出すことをしていきたいと思い始めました。経験のあるメディア業ではなく、別の事業で起業して大丈夫なのか?と思われるかも知れませんが、もし失敗したとしても、そこで出会った人脈や情報はムダにはなりません。次に活かせますからね。

 

考えるより行動、何人もの経営者に会ってみつけたヒント

起業のために、まずとった行動は、とにかく経営者やビジネスに関わる人に会いに行くことでした。大学1年生のない頭であれやこれやと考えるよりも、「会って学ぶ」機会をつくろう!と。メールや電話で連絡しても、何者でもないただの学生です。門前払いをくらうことも多かったのですが、面白いやつだと感じて会ってくれる人も結構いたんです。そんな出会いのなかで、ある方からヒントをもらって「靴磨き」で起業してみようと思うようになりました。

ここで普通なら、次は靴磨きの専門職人に学ぶのかも知れません。でも弟子入りして、一生その人の傘下のようなイメージがつくのは嫌でした。独学で学び技術を習得できるだけの経験を積むために、「100足まで無料」というふれこみで大学図書館の前で看板をだし、1年間修業しました。そして2018年の8月、3年生のときに株式会社として登記しました。いざ登記したものの、なかなか売上が上がらないなかでどうしたら良いのか分からない日々は非常に不安でしたが、起業してからは会う人のレベルも上がっていき、勇気をもらいました。1億円の事業と100億円の事業では同じ経営者でも全く違いますし、営業の仕方も違います。それぞれに学ぶところがありました。

 

迷っても悩んでも進めるのは、ビジョンがあるから

ビジネスコンテストや学生起業家の会にも参加していい影響をもらっています。同じように夢や目標に向かって頑張る起業家とのつながりは刺激的だし、負けていられないとも思います。中古靴の市場は200億円。まだ誰も大きなシェアをとっていません。買取りシステムを構築して、靴磨きから学んだリペアの技術を掛け合わせると必ず年商30億円が見えてくると思っていますが、起業イコールお金をかせぐことではありません。先輩経営者からはビジョンが何より大事だと教えられました。社会的に何のために事業をやるのか?根本のビジョンがしっかりないと、やるべきことがブレてしまいます。私の事業のビジョンは、「働く人を足元から応援する」です。足もと、身だしなみを整えたら信頼が上がり仕事が上手くいく。結果的に売上げがあがる。そこを突破できたら次は人の中身の研鑽です。だから、仕事につながるセミナーや交流会の開催などでビジネスをサポートしていきたいと思っています。

この事業を批判する人、上から目線で諭してくる人、値切ってくる人などなど、心がざわつくことはたくさんありますが、私にはビジョンとゴールがあるから、悩んでも迷っても前に進み続けます。

「U-25 kansai pitch contest vol.3関西若手起業家ピッチコンテスト」でのプレゼンテーション

 

 

指導教員・當間克雄教授からのメッセージ

村上君から起業の相談があった時、最初は驚きましたが、すぐに実行することを勧めました。本人の強い意志とある程度の計画性、実行可能性があったからです。日本の大学生の多くは、企業や公的組織に就職するという形をとることが一般的で、県立大学の学生も、その殆どがそうです。私は村上君のような学生が出てくることを望んでいました。学生起業は、資金や経験値の面からみても大変ですが、村上君のような学生が、今後も県立大学から多く出てくることを願ってやみません。県立大学の学生の皆さん、起業という選択肢も入れて、自分の未来をちょっと考えてみませんか?

 

関連リンク

兵庫県立大学国際商経学部

SHOEBER

U-25 kansai pitch contest vol.3関西若手起業家ピッチコンテスト

 

 

本記事は「兵庫県立大学通信1460第3号」からの転載です。

村上さんは動画「県大ストーリー(2020年度)」に出演しています。

 

 

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