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「減災・未来カフェ―未来の災害に向け、防災・復興を誰が担うのか―」を開催しました

地震大国とも言われる日本。いつ起きるか分からない災害に備え、今、私たちが考えておくべきことは何なのでしょうか。

 

阪神・淡路大震災の発生から26年目を迎えた1月17日に、生涯学習講座「減災・未来カフェ―未来の災害に向け、防災・復興を誰が担うのか―」を開催しました。

減災復興政策研究科 室﨑益輝 教授とサイエンスカフェ形式で対話し、防災・復興の担い手の役割や必要なリテラシー、次世代へつなぐための方法等について考えます。

新型コロナウイルス感染拡大の影響でオンラインでの開催となりましたが、当初の定員40名を大きく上回る70名の参加者があり、チャット機能を生かした活発な意見交換が行われました。

大教室からオンライン配信を行った

 

前半は、室﨑教授が参加者へ向けて講演を行いました。未来の災害に向けた防災・復興の担い手について「担い手のフレーム」「担い手のリテラシー」「担い手のバトンリレー」の3つの視点を挙げました。

「担い手のフレーム」では、行政・コミュニティ・NPO・企業が対等な関係でつながり、多様なセクターが協議しながら物事を進めていくという関係性の大切さ(正四面体理論)や、「土、水、風、光」の4要素に例えた減災復興における人材の役割(分担協働理論)について解説しました。

「担い手のリテラシー」では、減災復興を担うためには「心・技・体」「現場知と専門知」が重要となることを、室﨑教授の実体験も交えて説明しました。

「担い手のバトンリレー」では、市民社会における若者の果たす役割の重要性と支援のあり方等について説明しました。特に、コロナ禍における学生支援のクラウドファンディングに関する取組を事例に挙げながら、次世代に減災復興をつなぎ、担い手の裾野を広げる意義やその方法について伝えました。

「担い手のフレーム」について講演する様子

 

後半は、室﨑教授と参加者がサイエンスカフェ形式で対話しました。

参加者からは「無縁社会など地域コミュニティが弱体化している中で、共助・互助を確保していくためにはどのような工夫が必要か?」「外国人の方々に対する防災や人材育成をどのように考えるか、行政や市民団体などがどのように関わっていけるか?」「なぜ災害支援がプロのボランティア化してきているのか?」など、様々な視点から質問やコメントが寄せられました。

幅広い年代、職種の方が参加しており、参加者が日常的に担っている役割や感じている問題意識を表面化させることができました。

 

講座に参加した紅谷昇平准教授は「オンラインでの開催となりましたが、全国各地から多数の方に参加いただき、未来の防災・復興を考える貴重な機会になりました。コロナ禍の状況だからこそ科学的なコミュニケーションの場が求められており、大学の果たせる役割は大きいと考えます」 と述べました。

 

サイエンスカフェとは

科学の専門家と一般の人々が集まり、コーヒーなどを片手に気軽に語り合う形式を「サイエンスカフェ」と呼びます。従来の講演会とは異なる新たなコミュニケーションの形として、今世界中で注目されています。

 

 

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