(左から) 黒川専任講師、ラジオ関西 山崎さん、林編集長
本学ではラジオ関西との共同企画で、教員が取り組む先進的・特徴的な活動を広くPRするために、毎月1回本学の教員が、ラジオ関西番組「PUSH!」にてパーソナリティと対談形式で紹介しています。
4月6日(火曜日)放送の「PUSH!」「こちら兵庫県立大学です!」に登場するのは、国際商経学部 黒川博文専任講師です。
テーマは「意外と身近な行動経済学」。
黒川専任講師の専門は、行動経済学です。
「経済学」と言えば株や景気といったイメージが強いですが、需要と供給という言葉にあるように、消費者や生産者の行動も分析します。
例えば、消費者、つまり、人間の行動を例にとると「人間は一日の中で様々な選択をしています。何を食べるか、何時間働くか、どれだけ貯金するか…。これらの選択、行動は経済学で考えることができる」とのことでした。こうした経済学的な分析に心理学などの知見を応用したものが行動経済学だそうです。
行動経済学の中でも、社会的に望ましい行動をそっと後押ししてくれる方法「ナッジ」が、最近世界各国で注目されているとのことです。「一人一人が自分自身で判断してどうするかを選択する自由を残しながら、人々を特定の方向に導く介入」というものです。
例えば、新型コロナ対策で、消毒液の前に矢印が示されていたり、スーパーなどのレジ前にテープで立ち位置が示されている事がありますが、これも「ナッジ」だそうです。矢印やテープが目に入ると、自然と消毒をしたり間隔をあけて並ぶことができ、感染症対策になるとのことでした。
スタジオ収録風景
そのほかにも、メッセージの中に、行動経済学的な知見を活用して、社会的に望ましいことを促すことも「ナッジ」であり、神戸市のコロナ対策の呼びかけ(2021年3月広報誌)では、「「自分が感染しない」「大切な人に感染させない」ため、引き続き「3つの心がけ」の徹底をお願いします」というメッセージがあり、自分が感染しないという自己利益につながるだけでなく、大切な人に感染させないということで、ほかの人の役に立つという利他性が備わっているというお話が、とても印象的でした。
行動経済学は、経済学の中でも注目されている新しい研究分野です。経済学と聞くと硬いイメージですが、黒川専任講師のお話を聞いて、とても身近に感じることができました。
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