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令和6年度学生飛躍基金事業奨励状贈呈式を挙行しました

9月25日(水)、神戸商科キャンパス三木記念講堂において、令和6年度学生飛躍基金事業成績最優秀者奨学金採択者、優秀部活動等奨励金採択者、優秀地域貢献活動奨励金採択者への奨励状贈呈式を挙行しました。

 

本学をけん引していく学生を育成・支援-学生飛躍基金事業

本学では、学業成績や部活動等の課外活動、地域貢献活動などで学生の先頭に立ち、大学をけん引していく学生の育成・支援を目的に、大学の創立10周年・創基85周年記念事業の一環として、卒業生、在学生・保護者、教職員等から広く寄附を募り、その寄附金を原資として、2013年11月に学生飛躍基金を設置しました。

学生飛躍基金には以下の3種類があります。
➀成績最優秀者奨学金
学業成績において最も優れた学生を奨励することを通じて、勉学意欲の一層の向上を図るとともに、学業面において学生の先頭に立ち、大学をけん引していく学生を育成することを目的としています。

 

➁優秀部活動等奨励金
部活動(体育会・文化会)やサークル活動等の課外活動において、スポーツ・文化活動の分野で、学外の各種全国レベルの大会・コンテストへの出場や関西地区レベルの大会での入賞のほか、課外活動で成果を残すなど、優れた業績を挙げたことにより、大学の名声を高めることに貢献した学生団体(個人活動の場合は個人)を奨励しています。

 

➂優秀地域貢献活動奨励金
地方自治体の政策課題や、各地域が抱える課題や地域の活性化・振興等に対して取組や協力等を行い、成果や効果を挙げている学生団体(個人による活動の場合は個人)を奨励しています。

 

今年度は、学部73名・大学院3名の学生に成績最優秀者奨学金、1個人・1団体に優秀部活動等奨励金、2団体に優秀地域貢献活動奨励金を給付することが採択されました。

 

奨励状贈呈式では、はじめに髙坂誠学長から成績最優秀者奨学金採択者、優秀部活動等奨励金採択者、優秀地域貢献活動奨励金採択者に奨励状が贈呈されました。

 

続いて、髙坂学長から挨拶がありました。髙坂学長は「この奨学金及び奨励金の採択者に選ばれたみなさんは、それだけの時間とエネルギーを費やしてこられました。その努力に対して敬意を申し上げます」と述べ、「このたびのことは、新しい次へのステップの始まりだと思って、これからも気を引き締めて来年度に向けて頑張って努力を続けてください」と激励しました。

併せて、成績最優秀者奨学金採択者に向けて、学業成績等の成果を追い求め過ぎて完璧主義に陥るなど自分を追い詰めたりせず、長期的なスパンでもって様々な物事について考えて欲しいといったことや、家族や友人と過ごす時間を大切にしたり、挫折や失敗から立ち直ることのできる力を身に付け、仲間と支え合ってほしいといったアドバイスを送りました。また、優秀部活動等奨励金及び優秀地域貢献活動奨励金採択者に向けては、チームのメンバー同士で支え合い、コミュニケーションを密にしながら常に新しいことに取り組んでほしいといったことや、大学生活や社会人になってからも地域の一員として地域とのつながりをしっかり持ち、大事にしながら人生を送ってほしいと述べました。

 

学生発表

贈呈式では、成績最優秀者奨学金(大学院生)及び優秀部活動等奨励金採択者の各代表者から、研究内容や活動実績について報告していただきました。

 

次世代型太陽電池として注目されるペロブスカイト太陽電池に関する研究に貢献

まず、成績最優秀者奨学金採択者の代表として、工学研究科博士後期課程材料・放射光工学専攻1年生の塩木貴也さんが「カーボン電極を用いたペロブスカイト太陽電池の実用化」と題して報告しました。塩木さんは伊藤省吾教授の材料電気化学研究室で、ペロブスカイト太陽電池の一般利用を目的に、カーボン系多孔質型ペロブスカイト太陽電池の高効率化と長寿命化に関する研究を行っています。現在、太陽電池の主流となっているシリコン系太陽電池は、材料費や製造費が上昇傾向にあることから、シリコン系太陽電池に代わる新たな太陽電池として、ペロブスカイト太陽電池が近年注目されています。ペロブスカイト太陽電池は、ペロブスカイト構造を持つ鉛(Pb)とヨウ素(I)を使った鉛ヨウ化ペロブスカイト結晶を材料としており、可視光の吸収率が高く安価であること、また、ヨウ素は日本が主要生産国であり、世界シェア30%を占めることから、国産の次世代太陽電池としても注目を集めています。

塩木さんは、住宅の屋根の上など一般利用向けに適しているカーボン系多孔質型ペロブスカイト太陽電池の高効率化と長寿命化の研究を行い、その成果についてこれまでに査読付き英語論文を筆頭著者として1件、共著者として3件執筆して発表するとともに、筆頭発表者として国際学会で2回、国内の学会で2回口頭発表しました。また、国内外の学会で計6回ポスター発表し、そのうち国際学会「The 9th TKU-ECUST-KIST-OMU-UH-IHU-KMITL-UTAR-TNU-HUFI Joint Symposium on Advanced Materials and Applications(JSAMA-9)」においてPoster Awardを受賞しました。さらに、2023年度材料・放射光工学専攻修士論文審査会優秀賞を受賞するなどしています。
報告の最後に塩木さんは、「実用化のためには高効率化や長寿命化、大型化、再現性の向上や材料のリサイクル技術の開発などの課題がありますが、大学院修了までの残された時間の中で、できるだけ多くのことを進めていきたいと考えています」と今後の展望を述べました。

 

学内外での学びを活かして起業、情報系分野で実践的活動

続いて、優秀部活動等奨励金採択者を代表して、社会情報科学部4年生の船越丈寛さんが自身の活動内容等について報告しました。船越さんは現在、円谷友英教授の研究室で意思決定理論及びAIに関する研究を行いながら、これまでに学内外で深めてきた学びを発展させ、IT技術を活用した各種課題解決に向けた事業活動を行っています。具体的には、雑誌のデザイン制作を効率化させるAIや、仕様書の作成の一部を自動化するAIなどの開発を行う法人向けのシステム開発事業をはじめ、画像生成AIを活用したカードゲームのインターネット販売や画像生成AI専門の投稿サイトの運営などを行う一般向けのサービス運用事業、WEB制作事業、コミュニティの運営・講師業など、様々な事業を行っています。
最近力を入れている事業として、船越さんが開発した「kAIga Maker(絵画メーカー)」という、スマートフォンのカメラで撮影した部屋の写真から、その空間に最適なインテリア絵画を生成するAIシステムを使用しての絵画の制作・販売・発送までを行う事業と、AIが空間に最適なインテリア全般を設計し、設置までを行う法人向けの事業を紹介しました。併せて、これらのシステムについては特許出願を行っていることや、新聞等各種メディアで取り上げられたことを紹介しました。

船越さんは報告の中で、社会情報科学部での学びで印象に残っている授業として、プログラミング、研究演習、アルゴリズムを挙げました。また、研究室で行っている研究や学会での発表、本学の短期留学プログラムを利用した海外経験や本学体育会神戸支部会長としての活動、社会情報科学部の講義「PBL演習」でリーダーをした経験も印象に残っていると述べました。最後に船越さんは、「『大学で学んでこれで終わり』ということでは、とてももったいないと思っています。自分のために、みんなのために、実社会で課題解決のためにビジネスとしてみなさんの役に立てればと思っています」と語りました。

船越さんが運営する「kAIga Maker」公式サイト

 

少林寺拳法世界大会出場や関西大会最優秀賞受賞など、精力的に活動

最後に、優秀部活動等奨励金採択団体を代表して、姫路工学キャンパスで活動している少林寺拳法部の部員2名が演武を披露し、主将の北原万璃子さんが技の解説を行いました。

少林寺拳法について北原さんは「少林寺拳法は日本発祥です。第二次世界大戦後の日本において、復興と人づくりのために始まった武道です。『人づくりのために』というのは、『戦後復興と社会のために活躍する人をつくる』『人のためになる人をつくる』という意味です。人を助けるには、まずは自分が強くならないといけない。少林寺拳法は『人を打ち負かす』というものではなく、ただただ自分が強くなって人のために働くことを目的にした武道です。ぜひみなさんに武道の良さが伝わればと思い、今日発表の場をいただきました」と紹介しました。

奨励状を贈呈された学生のみなさん、おめでとうございます。みなさんの今後ますますの活躍を願っています。


 

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