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令和5年度学生飛躍基金事業奨励状贈呈式を挙行しました

9月27日(水)、神戸商科キャンパス 三木記念講堂において、令和5年度学生飛躍基金事業成績最優秀者奨学金採択者、優秀部活動等奨励金採択者、優秀地域貢献活動奨励金採択者への奨励状贈呈式を挙行しました。

 

本学では、学業成績や部活動等の課外活動、地域貢献活動などで学生の先頭に立ち、大学をけん引していく学生の育成・支援を目的に、大学の創立10周年・創基85周年記念事業の一環として、卒業生、在学生・保護者、教職員等から広く寄附を募り、その寄附金を原資として、2013年11月に学生飛躍基金を設置しました。

学生飛躍基金には以下の3種類があります。

➀成績最優秀者奨学金

学業成績において最も優れた学生を奨励することを通じて、勉学意欲の一層の向上を図るとともに、学業面において学生の先頭に立ち、大学をけん引していく学生を育成することを目的としています。

➁優秀部活動等奨励金

部活動(体育会・文化会)やサークル活動等の課外活動において、スポーツ・文化活動の分野で、学外の各種全国レベルの大会・コンテストへの出場や関西地区レベルの大会での入賞のほか、課外活動で成果を残すなど、優れた業績を挙げたことにより、本学の名声を高めることに貢献した学生団体(個人活動の場合は個人)を奨励しています。

➂優秀地域貢献活動奨励金

地方自治体の政策課題や、各地域が抱える課題や地域の活性化・振興等に対して取組や協力等を行い、成果や効果を挙げている学生団体(個人による活動の場合は個人)を奨励しています。

 

今年度は、73名の学生に成績最優秀者奨学金、2個人に優秀部活動等奨励金、1団体に優秀地域貢献活動奨励金を給付することが採択されました。

 

奨励状贈呈式では、はじめに髙坂誠学長から成績最優秀者奨学金採択者及び優秀部活動等奨励金採択者1人ずつに奨励状が贈呈されました。

 

奨励状の贈呈後、成績最優秀者奨学金(大学院生)及び優秀部活動等奨励金採択者の各代表者から、研究内容や活動実績について報告していただきました。

 

まず、成績最優秀者奨学金採択者の代表として、理学研究科博士後期課程物質科学専攻3年生の山下真依さんが、「前主系列星の彩層活動と黒点・フレアによる光度変動の調査」と題して報告しました。山下さんは、伊藤洋一教授の光学赤外線天文学研究室で、天文学のうち特に星形成、具体的には前主系列星の大気の活動に関する研究をしています。前主系列星(ぜんしゅけいれつせい)とは生まれたての太陽のような星のことを、彩層(さいそう)とは薄くて活発な大気層のことをいい、山下さんらは、若い星を観測することで昔の太陽の姿を推定しています。星が若い段階では自転が速く、それが原因で強い磁場が発生しているといい、また、強い磁場がかかった彩層からは光が出ており、山下さんはこれらのうちにある「カルシウム」や「マグネシウム」の輝線を西はりま天文台にある「なゆた望遠鏡」などの大きな望遠鏡を使って調べています。山下さんは、観測と解析を繰り返したことにより得た「前主系列星の彩層ではカルシウムがかなり明るく光っている」という結果に関する査読論文を昨年度3本執筆して発表するとともに、国内の学会で6回発表、フランスの国際学会「Cool stars21」においても発表したことを報告しました。

発表の最後に山下さんは、「『成績最優秀者』にと推薦してくださった先生方、審査員の皆様、ありがとうございました。私が知る限り、同級生は素晴らしい学生ばかりで、誰が選ばれてもおかしくありませんでした。その中で私が選ばれたことを誠に光栄に思います」と関係者に向けて謝辞を述べ、「来年度からは『天文学者』として研究に励みたいと思います」と今後の抱負を語りました。

 

続いて、優秀部活動等奨励金採択者を代表して、看護学部3年生の上田琳さんが、昨年の5月31日から6月17日にかけて、日本財団ボランティアセンターからの派遣グループ第1班のメンバーとして、ウクライナの隣国ポーランドでウクライナ避難民に対して行ったボランティア活動について報告しました。上田さんは、ロシアによるウクライナ侵攻の戦況に関する報道に接しながら自身の無力さを感じ、「何か自分にできることはないか」と考え、ボランティア活動に応募した経緯を紹介しました。現地では、特定の仕事をするのではなく、避難民のニーズを自ら考え、流動的に個々の避難民に対応し、支援物資の仕分けや避難した子どもに寄り添うなど、臨機応変に様々な活動をしていたといいます。上田さんは、ボランティア活動を通して「さらに、人のために役に立つことのできる人になりたい」「語学力と専門性を持つことの重要性」の2点について考えたことを挙げ、「語学力や専門知識、技術があれば、さらに多くの人の力になれるのではないかと思います。そのため、これからの大学生活において、看護師としての専門知識、技術を身につけ、語学力をさらに高めたいと思っています。少しでも多くの力を身につけたいです。そして、今よりも人のために役立てられる人になり、助けを必要としている多くの人々に医療・看護の分野で役に立ちたいと思っています」と今後に向けての決意を述べました。

今後の活動予定としては、1952年にマザー・テレサによってインドのコルカタに設立された、コルカタのスラムを巡回して見つけた瀕死の人や重症の人など死が近い人を連れて帰って温かな看取りを行うことを目的とした施設「死を待つ人の家」でのボランティア活動を計画しているといいます。上田さんは、「現地では、看護の原点を知りたいと思っています。『死を待つ人の家』に足を運び、自らボランティア活動を経験することで、『相手に寄り添う』ということを経験させていただきたいと思っています」と話しました。

 

最後に、髙坂学長から挨拶がありました。髙坂学長は、欧米では大学や大学院在学中に自身が成績最優秀者であったことを履歴書に記載できることを挙げ、「『履歴書に書くことのできる、すごいことをしたのだ』と、皆には胸を張り、自信を持つとともに、他の学生をけん引して欲しい」と激励の言葉を贈り、「10月から始まる新学期も、健康に留意して元気に、自分の選んだ道を一生懸命、一心不乱に前に進んでいくことを願っています。君たちの頑張りに期待しています」と挨拶を結びました。

 

奨励状を贈呈された学生のみなさん、おめでとうございます。みなさんの今後ますますの活躍を願っています。

 

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