本学と明石市は、SDGsの理念のもと、相互のパートナーシップにより持続可能な社会を実現させるため、各分野で協力し、地域の発展と人材の育成に寄与することを目的に、また、これまでの協力関係をさらに深めるため包括連携協定を締結することとなり、4月26日(金)、明石市役所において包括連携協定締結式を行いました。
本学と明石市は、これまでも看護や防災の分野で連携を進めてきており、看護学部が明石市をフィールドにコミュニティヘルスケア実習を実施し、地域住民の健康課題を抽出して、学生が解決策を提案したり、明石市が実施している個別避難計画や災害時の要配慮者支援の取組に減災復興政策研究科が協力・助言を実施するなどしています。
締結式では、はじめに丸谷聡子明石市長が挨拶されました。丸谷市長は「この協定は、地域課題の解決に向けて、それぞれの特性やネットワークを活用して、ともに取組を進めていくものになっている。これまでの個別の事業の連携から包括連携となることで、従来のコミュニティや防災、福祉の分野のみならず、保健・医療分野や工学分野など、幅広い分野においても一層の連携を図っていけるものだと思っている。協定の締結により、さらに『やさしい明石のまち』が実現していくものと思い、私自身も大変期待をし、嬉しく思っているところである」とし、「包括連携ということで、新たにいろいろな学部から提案をいただいている。明石の社会課題とマッチするところはぜひ進めていけたらと思っており、明石の防災・減災における避難所での健康管理に関する計画や、地域の活性化、また、私自身が進めてきた若者の声を施策に反映させる取組についても、兵庫県立大学の学生にも関わっていただき、若い目線で提案をしていただくなど、様々な分野でご協力いただきたいと思っている」と話されました。
続いて、本学の髙坂誠学長が挨拶し、「明石市は『SDGs未来安心都市・明石』を掲げ、SDGsに謳われている『No one left behind 誰1人取り残さない』の考え方を基底に据えて、『対話と共創』のまちづくりを進められている。本学はこれまでも看護や防災の分野で明石市と手を携え、看護学部や地域ケア開発研究所、減災復興政策研究科を中心に取り組んできた。この包括協定を新たな飛躍台として、これまで培ってきた信頼と協力関係をさらに深化させ、地域の発展とそこで暮らす人たちの安寧を目指して、歩みを進めていく所存である。データ・計算科学をベースに、学際的、さらには国際的な分野にまで連携を広げ、地域を元気にし、地域の未来に責任を持つ若者の人材育成に取り組んでいく」として、「これまで以上にもっとトータルな形で大学と明石市が向き合い、地域課題の解決に向けていろいろな学部が協力して、地域の活性化のモデルをつくることができれば良いなと思っている」と述べました。
このたびの包括連携協定の締結により、人的・知的資源等の交流や、協働による調査研究、明石市または本学が主催する事業等に対する相互の協力・支援、地域課題解決に向けた共創による取組等を進めていくこととしています。具体的には、社会情報科学部及び情報科学研究科との市民意識調査等の分析・社会課題の検討や、工学部との「兵庫出石辰鼓楼機械時計科学調査プロジェクト」の機械時計分析に関する連携・協力、地域ケア開発研究所との災害時の避難所等での避難者健康管理に関する連携・協力や、地域での健康増進活動への支援、昨年度に看護学部内に開設されたデジタルヘルスケア・センターとの連携で、保健・医療・福祉分野でのデータ分析による検診率の向上や医療的ケア児支援等をはじめとした地域課題の解決等に取り組んでいくこととしています。
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