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解読に20兆年以上!? の暗号アルゴリズム開発

 

本学の大学院情報科学研究科 五十部孝典 准教授の研究グループと株式会社KDDI総合研究所は、2021年11月9日、超高速大容量通信を実現するBeyond5G/6G通信に対応できる処理速度をもった暗号アルゴリズム「Rocca」を開発したことを発表しました。「Rocca」は、量子計算機(コンピュータ)での解読にも安全性を有する暗号アルゴリズムとしては、世界最速となる138Gbpsの処理速度を達成しました。

 

現在進んでいる5G(第5世代移動通信システム)では1秒間に最大で20Gbps程度の通信速度ですが、2030年頃に実現する6G(第6世代移動通信システム)では1秒間に100Gbps以上の超高速通信が可能となり、サイバー空間と現実世界(フィジカル空間)の一体化が加速することから、世界的に6G時代に向けた研究開発競争が激化しています。

 

6G時代においては、あらゆるデータがビッグデータとして利用されるため、個人情報やプライバシー情報を保護するための暗号技術が必要不可欠な技術となります。しかしながら、既存の暗号技術では1秒間に30Gバイト程度の処理しかできず、1秒間に100Gバイト以上の処理が可能な高速な暗号アルゴリズムの開発が求められていました。

 

 

Roccaは最先端の暗号設計理論や暗号解読技術をベースに、最新のCPUのアーキテクチャに最適化した構成を採用することで、並列化やパイプライン処理を最大限利用でき、既存の暗号アルゴリズムの3倍以上の138Gbpsを達成しました。

 

 

 

このたび発表した「Rocca」は、第6世代に求められる処理性能を満たすものであるとともに、最近急速に開発が進んでいる量子計算機(コンピュータ)による解読にも耐えうる長さの鍵であり、データが悪意ある第三者に見られないことだけでなく、データが改ざんされていないことも保証可能なアルゴリズム(認証付き暗号)となっています。

 

今後は、Roccaの安全性評価を国内外の研究機関とともに実施し、暗号の安全性を強く保障したいと思います。また、将来的な実用化に向け、スマートフォン等の幅広いデバイスでの実装評価を進めます。将来的にはISO等の国際標準を目指し、6G時代のスタンダード暗号になることを目指します。

 

 

 

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