3月26日(木)、大学全体で行われる令和7年度学位記授与式に先立ち、兵庫県立大学副専攻の1つである「防災リーダー教育プログラム」の修了証授与式が神戸国際会館(神戸市中央区)で行われ、本プログラムを修了した22名のうち18名の修了者が出席しました。

「防災マインド」を身につけ、地域や社会に貢献できる人材に
本学では、所属学部の主専攻以外にも各自の学びの機会を拡げるため、これからの時代にとって必要性の高い3つのテーマを設定し、学部の枠を越えた教育課程「副専攻プログラム」を用意しています。学生は、3つの副専攻プログラムから1つを履修することができ、いずれのプログラムも、課題解決やフィールドワーク、体験プログラムなどを取り入れ、学生が主体的に学ぶことのできる科目構成になっています。
防災リーダー教育プログラムは、防災マインド(防災への優れた知識と行動する心)を持ち、地域や社会に貢献できる人材の育成を目指して、神戸防災キャンパス内に設置されている防災リーダー教育部門の教員(減災復興政策研究科教員が兼務)が推進しています。本プログラムでは、減災復興学に関する幅広い知識の習得をはじめ、フィールドワークや被災地現場のボランティア活動を通じて学び考えたことや経験を仲間たちと共有し、自ら感じ、何ができるのかを考えながら現場力を磨くとともに、コミュニケーション能力を高め、危機的な状況でも力を発揮することのできる実践力や、さまざまな危機や課題に対して冷静かつ的確に対応できる総合力(人間力)を持った人材を育成しています。プログラム修了生には「防災リーダー」の称号を授与されるほか、防災士(特定非営利活動法人日本防災士機構認定・要資格試験合格)と、一次救命処置(日本赤十字社)の資格を取得することもできます。

防災リーダー教育プログラム必修授業「防災リーダー育成講座(防災士養成講座)」内で行われた日本赤十字社兵庫支部による「赤十字救急法 短期講習」の様子
副専攻プログラムの修了証授与は、学位記授与式の中で学長から代表の修了者に授与し、代表者以外の修了者には各学部から個別に手渡されていますが、防災リーダー教育プログラムについては、学位記授与式の前に修了証授与式を開催して、1人ずつ授与しています。
修了証授与式の様子
はじめに、減災復興政策研究科長で防災リーダー教育部門の永野康行部門長から修了者に修了証が手渡されました。


続いて、永野部門長が祝辞を述べました。その中で永野部門長は、「災害は、いつ、どこで、誰の身に降りかかるか分からない。しかし、そのときに『備えていたかどうか』『周りの人と力を合わせられるかどうか』で、被害の大きさも、その後の復興の姿も大きく変わる。みなさんが学んできた防災・減災の知識、被災地や地域で見聞きした経験、そこで感じた悔しさや決意は、いざというとき、必ず誰かの命や暮らしを支える力になる」と述べた上で、「このプログラムにおける『リーダー』とは、必ずしも前に立って指示を出す人だけを意味してはいない。静かに周囲に目を配り、困っている人にそっと声をかける人、必要な情報を分かりやすく伝えようと努める人、自ら率先して備えを始める人も、立派な防災リーダーである。みなさん1人ひとりの持ち味を生かしたリーダーシップのかたちを、これからも大切に育てていってほしい。今日お渡しした修了証は、ここでの努力と成果を示す証であると同時に、『これからも学びと実践を続けていく』という約束の証でもある。社会に出れば、大学での学びとはまた違う課題や制約に直面すると思う。それでも、災害や危機に向き合う姿、他者に寄り添おうとする心、諦めずに考え続ける態度を忘れない限り、みなさんは必ずどこかで防災リーダーとしての力を発揮できるはずである。今日を一区切りとしつつも、ここで得た仲間とのつながり、教員や地域の方々との縁を、これからの人生の中で活かし続けてほしい。そして、『自分だからこそできる防災・減災への貢献とは何か』を焦らずに、しかし、確かな一歩として、考え続けていただきたい」と修了生に激励の言葉を贈りました。

修了証授与式の進行をした減災復興政策研究科教授で防災リーダー教育部門の浦川豪副部門長は、「私がみなさんに望むことは、災害への関心を保ち続けることである。無関心になることが一番怖い。災害は、われわれが選べるものではない。ここでの災害への関心とは、自分自身が被災することを指すのではなく、日本全国で起きている災害に関心を持つことである。今の時代、災害によってその地域の弱点が浮き彫りになる。そのときに、自分たちが暮らしている地域で何かできることはないか。あるいは、自分や家族とで何かできることはないか等、まずは身近なところから自分たちで行動を起こし、自分たちの行動でもって、いろいろな人たちに影響を及ぼしていくような、能動的な行動ができるようになってもらえたら嬉しい」とし、「災害のことを考えると暗い気持ちになるが、自分が望む人生を想像してみて欲しい。その災害が起きなくても、望んでいるようにならないことはあるはずだ。その中で、災害が起きたとき、それは自分が思い描いているものにとっての障害になる。ただ、『自分のなりたい像』を持っていれば、みなさんにはこのプログラムで培った『レジリエンス』『立ち上がる力』がきっと役に立つと思う。今後、仕事をしながらさまざまな経験をすることがあると思うが、そのときに、自分が望む『未来の自分の姿』に向けて、前向きに考えて人生を歩んでもらいたい」とメッセージを贈りました。

修了者の声
・自身が所属する学部では、他の学部の人と学ぶ機会が少なかったのですが、この副専攻プロフラムを履修したことで、いろいろな学部の人と一緒に勉強することができ、また、その学部の人特有の考え方や感じ方など、さまざまな観点から防災を学ぶことができて良かったと思っています。
・私は、災害時に基幹災害拠点病院となる病院に務めることになっています。入学前から兵庫県立大学に入学したら防災リーダー教育プログラムを履修して、卒業後は看護師として災害に携わっていきたいという思いを持っていましたが、その思いは今も変わらず持ち続けています。これからも、この副専攻で学んだことをしっかり活かしていと思っています。所属していた看護学部は、キャンパス自体が独立しているので、土曜日に神戸防災キャンパスに行って、皆と一緒に学べる時間があったことは、私の学生生活の中でとても大切な思い出になっています。
・私も入学前からこの副専攻を履修したいと思っていました。理由は、防災に興味があったからですが、私は元々、人前で話をしたり、グループでディスカッションしたりすることがあまり得意ではありませんでした。副専攻でイベントの企画などについて皆で話し合いをしたりする中で、違う考えの人といろいろ話をしながらプロジェクトを進めることは、私自身の成長にもつながったのではないかと思っています。防災の意識も非常に高まり、とても良い時間を過ごせたと思っています。
・元々防災に興味があり、入学前からこの副専攻を履修しようと決めていました。私にとって副専攻の講義は、とてもリフレッシュできる機会になっているように感じていました。また、バックグラウンドが異なるさまざまな人から話を聞いたり、ふれあうなど、主専攻では学べないことをいろいろ学ばせていただきました。
・4月から兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科に進学します。元々まちづくりに興味があり、大学生のときはまちづくりに関する研究をしていこうと思っていましたが、この副専攻を履修したことで、防災に強いまちづくりについて考えたいと思うようになり、卒業後の進路も、就職から大学院への進学に変更しました。無事に大学院に進学できることになり、良かったと思っています。

令和7年度 副専攻「防災リーダー教育プログラム」修了者
峰松 晏(国際商経学部)
辻村 航平(社会情報科学部)
白井 和音(工学部)
前田 拓海(工学部)
藤本 唯芽(工学部)
石阪 未梨(理学部)
髙橋 真里(環境人間学部)
小板𣘺 花(環境人間学部)
香庄 千晶(環境人間学部)
芝田 紗彩(環境人間学部)
島田 麗(環境人間学部)
永井 結季子(環境人間学部)
真鍋 沙織(環境人間学部)
三宅 結香(環境人間学部)
松本 野々花(看護学部)
鐘森 悠里(看護学部)
辻󠄀本 みなつ(看護学部)
寺脇 実咲(看護学部)
東尾 怜実(看護学部)
福井 彩薫(看護学部)
増田 京美(看護学部)
𠮷田 みなみ(看護学部)
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