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キャリアデザイン入門(対面講義)「双方向の県内就職支援活動にTRY!」について

キャリアデザイン入門(対面講義)の授業が行われました

 

2021年7月12日(月曜日)、神戸商科キャンパスで行われた

キャリアデザイン入門(対面講義、戎多麻枝先生)の授業を紹介します。

 

兵庫県の人口は、少子化の影響もあり10年連続で減少しています。

特に20年代の若年層の転出超過に歯止めがかかりません。

 

そこで、この講義では、学生に県内企業の魅力を知って、県内就職のきっかけとしてもらうことを目的に、県内企業の業務紹介や社員の方との意見交換等を行っています。

 

戎 多麻枝 先生による導入

戎 多麻枝 先生による導入

神戸財務事務所事務官による説明

地方における若年層の就職率の向上は、国にとっても重要な課題となっています。

本講義では、最初に近畿財務局神戸財務事務所の若手職員から、兵庫県での『地方創生』の取り組みについて説明がありました。

近畿財務局では、種々の地方創生の活動(金融教育、起業支援等)に取り組む若手有志(チホメン)を組織しています。本講義では、国際商経学部と連携協定を結んでいる神戸財務事務所にご所属のチホメンメンバーより、導入のお話として兵庫県内の企業環境・若年層の動向に関する説明がありました。

 

近畿財務局神戸財務事務所の若手メンバーによる導入(20代若年層の転出超過を懸念)

近畿財務局神戸財務事務所の若手メンバーによる導入(20代若年層の転出超過を懸念)

 

今回参加している1年生に、就職して働くことに対するイメージを聞くと、「稼ぐ」「勤める」「労働」という一般的な回答とともに、「社畜」「辛い」「ストレス」というネガティブな回答もありました。また、そういったイメージ以外にも、県内にどんな企業があるのかが分からないなどの、不安と疑問の声を聞かれました。

そこで、県内企業の人事課や現場で働いているお二方をお招きし、お話を伺いました。

 

ゲスト: 橋本浩美さん(モロゾフ株式会社(マーケティング本部商品企画課))

 

橋本さんは本学の卒業生です。

「就職活動当時はものづくりに興味があり、メーカーを中心に活動していました。

もう一つ、結婚、出産後の女性にも働きやすい環境が整っている会社か否かという観点も大事にしていました。」

 

なぜ今の会社に決めたかというと、「ある説明会の帰りにモロゾフのプリンを食べ、そのおいしさに感動して同社を希望したから」というきっかけとなるエピソードの紹介もされていました。

 

「企画業務を希望して入社しましたが、当初は店舗での販売業務に配属されました。販売員の経験がなかった橋本さんは仕事に慣れず体調を崩しがちでしたが、希望していた企画部署に異動し、海外でもマーケティングや新商品の開発などに携わることで、モチベーションが上がってきました。」

商品開発やマーケティングの勉強をしている学生たちが、興味津々にメモを取る中、お話は続きます。

 

一日のスケジュールなどをグラフにしてわかりやすく説明

一日のスケジュールなどをグラフにしてわかりやすく説明

 

その後、橋本さんは結婚・出産を経て、育児などが加わったことで生活ががらりと変わりました。

突然、子供の具合が悪くなり、休むことも少なくはありません。

そんな中、仕事をする上で何を工夫していけばいいか。

橋本さんは

・働ける時間が限られているので、その日にやることを事前に計画をして実施する

・締切ぎりぎりにならないよう、自分で早めの期限を設けて行動する

などを心掛けているそうです。

 

産休・育休とは関係なく、このような行動を心掛けていけば、時間外労働の削減と同時に仕事の速度やモチベーションの向上につながるのではないか、とのことでした。

 

ゲスト: 中田一志さん(生活協同組合コープこうべ人事部)

 

中田さんは就職活動を行う際に、仕事に対し自分が一番求めているものは何かと考えることから始めました。

一番は「職場環境・人間関係」。長く勤められる会社を探していました。

 

その中で、生活協同組合コープこうべは職場環境などの条件が希望に合い、選んだとのこと。

 

中田さんは、まずコープ宅配の配達員になりました。

最初の1年は大学生活と社会の差に悩み、モチベーションが下がっていましたが、職場環境や人間関係も良く、悩みも相談できる上司がいたおかげで徐々にモチベーションも上がっていきました。

 

配達員を数年経験し、人事部に異動したのは今年になってからのため、まだ慣れていない面がありますが、とてもやりがいがあり、楽しいと感じるそうです。

質疑応答の時間

お二人のお話の後、質疑応答の時間を設けられ、就職に対する質問や疑問点などを各担当の方に質問していました。

 

例えば

 

質問:現在バイトをしていません。「学生時代のバイト経験はとても良かった」と聞きますが、それは社会に出て本当に役立つのでしょうか。

 

回答:バイトの経験が全てではなく、学生時代の様々な経験が、社会に出ると何かしら役立つことが多いと感じます。例えば、販売員や配達員の経験がない状態で就職しましたが、配属されたときに学生時代に経験していれば大分違ったのではと思うことが多々ありました。

 

質問:自分の強み・弱みを面接時に聞かれるのはなぜでしょうか。会社側ではどういう点を評価しているのでしょうか。

 

回答:とても強みのある大学生活を送っているとは言えない、という学生が大半だと思います。

そこで面接官は、面接者がどういう人間か判断するために、答えているときの反応や人間性を見ています。

 

など、とても真摯に丁寧に回答していただきました。

 

質疑応答の様子

キャリアデザイン入門を受けた学生の感想

・企業選びについて、その会社の財務や経営状態がいちばん重要だと思っていたけれど、自分が働く場として職場の人間関係や環境についても吟味していきたいと思い、それらを選択肢に加えたいなと感じました。

 

・県内の企業の中でも意外と有名なものがあったり、県内発の事業があったりして驚きました。

 

・将来の仕事を考えるにあたって、妊娠・出産前後の仕事に不安があったので、子育てサポート企業認定「くるみん」などの存在を知れたのはとても良かったと思いました。

 

・働きながらの私生活や、企業の強みなど様々なことを教えていただいて、忙しい生活を送りながらも働く女性のリアルな声が聞けて良かったと思います。

 

・育児と両立しつつ仕事をするのは大変さが勝つと思っていましたが、自分のための大切な時間と仰っていたのが印象的でした。私もそんな風に言える仕事を見つけたいです。

 

・マーケティングや商品企画に興味があるので、実際にどのようなことをされているのかというお話を伺うことが出来てとても嬉しかったです。

 

といった感想がありました。

 

ゲストの方からも、

「一年生の時にこのような密度の濃いキャリアデザインの授業が受けられてとても羨ましい」との感想がありました。

 

キャリアデザイン授業の様子

 

国際商経学部・社会情報科学部のほか工学部、理学部などでもキャリアデザイン講義を実施しています。

 

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