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「卒業研究の活動が行政の事業拡大のきっかけに」 環境人間学部の学生が齋藤元彦兵庫県知事と面談しました

2月16日(木)、「生理用品はトイレにあって当然の備品」として考える「生理の尊厳」をテーマに卒業研究に取り組んだ環境人間学部4年生の永山みのりさんと、永山さんとともに学生団体「SOGIいろ」で性の多様性の啓発活動に取り組む環境人間学部3年生の小林夏実さん、深山真衣さんと、3人を指導している竹端寛准教授が兵庫県庁で齋藤元彦兵庫県知事と面談しました。

 

永山さんは、生理を忌むべき・恥ずべき・隠すべきものとせず、女性の権利かつ日常生活の一部として尊重し、互いの心身の辛さを分かり合える社会を目指すことを概念とする「生理の尊厳」を卒業研究のテーマに選び、「価値観を変えるソーシャルアクションの試み-生理の「貧困」から「尊厳」を例に-」と題して研究に取り組みました。

永山みのりさん

 

近年、コロナ禍の影響により収入が減少するなど、経済的に困窮している女性への支援策として生理用品の無償配布を行っている自治体があります。永山さんは、生理用品の無償配布を「生理の貧困」という視点からではなく、「トイレットペーパーやハンドソープ等と同様にベーシックサービスとしてトイレにあるべきもの」という視点で捉え、この考え方に基づき、10月下旬に姫路環境人間キャンパス内の5か所の女子トイレで姫路市から提供を受けた生理用品を使用して、生理用品の無償提供実験「トライアル設置」を8日間実施するとともに、アンケート調査を実施しました。この取組が2022年12月に新聞で報道されたことをきっかけに、2021年11月から行われている兵庫県の県立学校等での生理用品の無償配布の事業の規模・対象が拡大されることとなりました。

今回の面談は、新聞報道で永山さんの取組を知った齋藤知事のご希望により実現しました。面談で永山さんは、卒業研究の内容について紹介し、調査の結果、急に生理になり、持ち合わせの生理用品がなく、トイレに設置されていた生理用品を使用したケースが多かったことや、現状では生理用品の受け渡しが窓口等であることが多いものの、生理用品の受け取りに対する心理的ハードルの高さに課題があること、社会全体で理解を深めていく必要性があることなどについて言及しました。

また、永山さん、小林さん、深山さんの3人は、2022年4月から活動している学生団体「SOGIいろ」についても紹介し、学生団体立ち上げの経緯や、昨年10月に姫路環境人間キャンパス内で啓発活動の一環で実施した「SOGIウィーク」や、性別にこだわることなく誰もが使える「あなたのトイレ~Restroom for all~」のトイレサインのパネルの制作・設置といった活動内容について紹介しました。

 

齋藤知事からは「今日は、みなさんが活動されている取組や問題意識、課題を実際に聞かせていただきたいと思い、今回の機会をいただいた」「われわれの生理用品の無償配布に関する問題のスタートは貧困問題だったが、経済的な理由だけでなく、1つのサービスとしてこの事業を行っていくことの大事さを聞かせていただき、共有できたことが良かったと思う」とのコメントをいただきました。

※SOGI(Sexual Orientation and Gender Identity)…性的指向(好きになる性)、性自認(こころの性)のそれぞれの英訳のアルファベットの頭文字を取った、人の属性を表す略称のこと。

関連リンク

環境人間学部・研究科

 

面談に出席した永山みのりさんの「生理の尊厳」に関する取組について取り上げた記事を、下記のリンク先からご覧になれます。

環境人間学部「かんなび」 【メディア掲載】「生理の尊厳」を学内で実践、そして卒業研究へ(学生団体「SOGIいろ」永山みのりさん)

 

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