記事検索

  • 学部・組織・所属

  • 記事のテーマ

  • 記事のタイプ

学長×学生 座談会2019【後編】~ここで青春を輝かせよう

学生ファーストを大切に

学長×学生 座談会2019【前編】からの続き

 

濱川 学長も、学生時代に誰にも負けないものを見つけたのですか。

学長 私はずっと自分の好きなことを勉強してきました。大学に入る時は、工学部か理学部で悩みましたが、その中間の基礎工学部へ。これからの社会に必要になると思った電気工学科に入り、さらに大学院へ進んで電磁波、特にマイクロ波・ミリ波という通信用電波の研究に取り組みました。電波って目に見えないですよね。でも、一生懸命勉強していると、見えるようになるんですよ。

濱川 そうなんですか。ぼくにはまだ電波は見えません。

学長 感覚的にわかってくるんです。そのためにはものすごく勉強しないといけないのですが。今振り返ると、私が大学院生の頃は、教授と話をする機会は研究室全体の勉強会を除いてほとんどありませんでした。ある時、研究を進める上でどうしてもわからないことがあって質問に行くと、「太田くん、こうしたらどうや」ってさっと計算してくれて驚いたことがあります。ほったらかしだと思っていたのに、ちゃんと見て考えてくれているんだと実感しました。そういう経験から、自分が大学に勤めるようになると、学生には自信をつけさせて、おもしろいと思って勉強や研究ができる環境をつくらなければと思うようになりました。今もそれは変わりません。学生ファーストが大事なんです。学生あっての大学ですからね。

居内 看護学部には、ケアをもってケアの専門家を育てるという理念があり、先生方には本当にていねいにケアしてもらっています。担任制度もあるので、何でも相談できます。

学長 工学部にも1年生対象のパイロットゼミがありますね。ほかの学部もそれぞれ細やかに教員が学生をケアしています。そこはうちの大学のすごくいいところだと思います。

種井 先生との距離の近さは私も実感しています。とくに外国人の先生とは近すぎるぐらい近いかもしれません。

学長 学生ファースト、そして多様で特色のある先導的な公立大学というのが兵庫県立大学のめざすところです。すでにそうなっていると自負していますが、ここからさらに充実させたい。そのためには、学生一人ひとりの勉強したい、研究したいという思いに応えられる教育システムが必要です。多様性に富んだとがった分野の研究を支えていくところからやっていきたいと思っています。

ここで青春を輝かせよう

学長 では、最後に皆さんがこれから挑戦したいことについてお聞きします。今、どんなことをやってみたいと考えていますか。

種井 海外留学に行きたいです。日本人がいない、自分から周りに助けを求めないとやっていけない環境に自分を放り込んで、頑張ってみたいと思っています。もう一つは、これから学ぶ経済学や経営学を何とか自分のものにして、世界に通用する力をつけたいです。英語にも磨きをかけて、将来は日本を拠点に世界へ向けて新しい商品やサービスを発信していくような仕事がしたいと思っています。

学長 経済学や経営学を英語で勉強するのは大変ですが、しっかり力をつけて、世界で活躍する人になってほしいですね。種井さんならできると思います。

濱川 いちばん近いところでは、昨年に続いて出場するロボットコンテストで上位に入りたいです。ハイレベルな大会ですが、今年は兵庫県立大学の名前を全国にとどろかせたい。今はその準備の真っ最中です。また、卒業後は大学院に進学したいので、そのための勉強にも力を入れています。大学院でも制御系の研究を続けて、何か新しいものを開発していきたいと思っています。

学長 やるからには、ロボットの第一人者をめざしましょう。コツがわかって、情熱を傾けていけば、濱川さんの力はまだまだ伸びていくはずです。将来はドクターコースまで進んで、ロボット博士になってください。応援しています。

居内 間もなく始まる看護実習を頑張っていきたいです。実習以外では、語学と手話に挑戦したいと考えています。看護職として働くうえで、言葉の壁や障害の壁をできるだけなくしたいからです。病気やケガでただでさえしんどい患者さんとスムーズにコミュニケーションができるようになればと思っています。

学長 看護師になっても、保健師になっても、居内さんなら心配はいりませんね。本学の看護学の大学院は、実社会を経験した人しか入れません。あなたのようなマインドを持つ人が社会で経験を積んで、また戻ってきてくれたら心強い。看護学の教育が曲がり角を迎えている今、広く看護学を研究することが重要になっていますから。その前にまずは今の勉強ですね。

居内 ありがとうございます。しっかり勉強します。

学長 私たちも挑戦を続けますよ。大学というのは10年、20年先の社会を見ながら、改革の心を持って運営していかなければならないんです。これでいいと守りに入ったら、絶対にだめ。改革するという強い思いがあって初めて進歩するんですね。グローバル化、サイバー化をはじめ、社会が大きく変化するなかで、兵庫県立大学ではどの学部でも、そういう社会で活躍できる人を育てたい。多様性を大事にしながら、新しい価値観をつくりだせる学生が育つ教育、研究を進めます。この春の入学式で新入生の皆さんの顔を見た時、みんな目がきらきらしていました。今年もいい学生さんが入ってくれたと本当にうれしかったです。学生の皆さんには、ぜひ、この大学で青春を輝かせてほしい。青春時代の輝くような時間をここで過ごし、社会へ出た時にますます輝いてもらえれば何よりです。

 

COPYRIGHT © UNIVERSITY OF HYOGO. ALL RIGHTS RESERVED.