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県大STORY_2019/患者の力、引き出す看護を。/川崎 優子准教授 × 東井 理桜子さん

看護学部 川崎 優子准教授(左) 東井 理桜子さん(4年生当時)(右)

4年間の総仕上げになる実習へ

川崎: いよいよ来週から1カ月間の統合看護実習ですね。4年間の総仕上げになる実習なので頑張ってください。

東井: 4月に先生のゼミに入って、がん看護を勉強してきました。今回は兵庫県立がんセンターでの実習。しっかり学んできます。

川崎: 東井さんは2年生の実習時にも担当しましたが、ずいぶん成長したと思いますよ。

東井: 2年生での病院実習もたまたまがんセンターでしたが、うまくいかないことが多くて、きつかったです。

川崎: 受け持ち患者さんに初めて1対1でケアする実習ですから、悩む場面も出てきますよね。ただ、看護にはその人がどんなことで困っているかを見極める力が必要。人をみる看護ができるようになるためには、1対1での実習が大事です。

東井: 病院実習が初めてだったこともあって、患者さんができないことを自分が代わりにやってあげるだけで満足していたんです。川崎先生に「あなたにとって看護って何?」と聞かれて、これではだめだと気づきました。「オレムの看護理論」をもとに、患者さんの力を引き出す看護を教わってきたのに全然できませんでした。

東井 理桜子さん

 

サポートがあるから乗り越えられる

川崎: 実習に行って初めて気づくことは多いですよね。2年生での実習の後、どの学生も授業中に座っている姿が変わります。なぜ勉強しないといけないかがわかってくるんですよね。自分の弱い部分や強みも見えてくるので、2年生の伸びはすごく大きい。だからこそ大切にしたいんです。

東井: 疾患の理解ができていないと、患者さんが何に困るのかという見通しも立ちません。実習でそれに気づいて、勉強をしっかりするようになりました。患者さんがどうしたいのか、どんな生活をしたいのか。患者さん主体の看護がいかに大事かということも痛感しました。たいへんでしたが、なんとか乗り切れたのは、先生方のサポートのおかげです。

川崎: 県大の看護学部は他大学よりも教員数が多いため、学生6人に1人の助教が病棟へ出向き実習指導・環境調整を行います。また、教授、准教授も実習先を回ってフォローアップするような指導体制をとっています。そこはかなり手厚いと思います。

東井: どの先生も本当に親身になって相談に乗ってくれますよね。私が困って何か聞いたら、100ぐらいにして返してくれます。だから、自分が関心を向ける範囲まで広がったりするんです。

川崎: 学生の立場からすると、手厚い指導体制がかえってうるさく感じることもあったんじゃないですか?(笑)。教員としては、看護をするには対象となる人を理解することが大切になるので、つい熱心な関わりになってしまうところがあるので。

東井: 自分の考えがまとまらない時も、じっくり話を聞いて整理してくれるので、先生たちすごいっていつも思っています。

川崎: そう思ってもらえているなら、良かったです。

川崎 優子准教授

 

やりたいと思ったことに挑戦を

東井: 3年生でも長期の実習がありましたが、がんの患者さんを担当して、手術後の生活を考えることにも関わりました。こんなふうに1人の患者さんと深く関わりたい。そう思って先生のゼミに入りました。

川崎: 今年、がん看護をやりたいとゼミに入ってくれた人は、東井さんも含めてみんなモチベーションが高いんです。自分たちでフィールドへ積極的に出向き、いろんなことを調べてくるので、頼もしく思っています。

東井: 患者会や学会にも参加して、勉強させてもらっています。やりたいと思ったことはどんどんやっていきたいと思います。

川崎: がんの看護というと、ベッドサイドのイメージが強いかもしれませんが、今はそうではない人もすごく増えて、予防にも注目が集まっています。いろんなアプローチの仕方がありますね。

東井: ゼミのみんながやる気いっぱいなので、私もいろんなことに挑戦しようと思っています。

川崎: 何かを学ぶとき、自分たちの関心どころを見つけて、そこを掘り下げて理解していくプロセスが大切なんです。内発的な動機づけになりますから。

東井: 来週からの実習では「オレムの看護理論」を実践するのが目標です。患者さんをしっかり見て、患者さんが持っている力を引き出しながら支える看護をしたいです。

川崎: 患者さんにとって必要なことを見極めていくプロセスの中で、既存の枠にあてはまるだけではなく、これまで身につけてきた創造力を発揮して、実習ではいろいろなことに挑戦してください。

東井 そうですね。自分から積極的に取り組んでいこうと思っています。

川崎: 統合看護実習は看護の幹を育てる期間。現場に出た時に折れることがないよう、太く育てましょうよ。

東井: 高校生の時に看護師になりたいと思うようになって、将来の選択肢を広げるために、看護師と保健師と助産師、養護教諭の免許が取得できる県大に入学しました。今は進むべき道がはっきりしました。卒業後はがん患者さん一人ひとりに関われる総合病院で看護師として働きたいと思っています。実習も今はすごく楽しみ。先生にはまたいろいろ相談すると思いますけど、よろしくお願いします。

 

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