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「自分のからだを知ろう~呼吸フィジカルアセスメント~」兵庫県立大学看護学部 夏休み公開講座を開催しました

8月7日(月)、明石看護キャンパスにおいて、小学5年生から中学3年生(保護者の方の同伴可)を対象とした夏休み公開講座を開催しました。

看護学部では、地域に開かれた大学を目指して、例年夏休みの時期に公開講座を開講しています。今年は「自分のからだを知ろう~呼吸フィジカルアセスメント~」をテーマに、聴診器を使って呼吸の音を聴いたり、機械を使って血液中の酸素の量を調べたり、シミュレーターを使って病気のある人の呼吸の音を聴くなどの体験を通して、呼吸の仕組みや働きについて学習することを目的に行われました。

 

開会に際して、看護学部の工藤美子学部長から挨拶がありました。助産師である工藤学部長は、新生児の出生時の呼吸について紹介しました。そして、「自分たちの体のことを知るというのは、とても面白いことだと思いますので、今日は『吸って吐く』という呼吸の仕組みを学んでいってください」と参加者に呼びかけました。

 

講義

講座には、看護学部 実践基礎看護 看護病態学講座の築田誠講師が登壇しました。はじめに教室で行われた講義では、築田講師から呼吸の仕組みや肺の構造に関する説明がありました。講義の中で築田講師は、「テーマにある『フィジカルアセスメント』とは、医師や看護師が使っている医療用語で、『身体的な健康上の問題発見のために身体の状態を審査すること』をいい、呼吸フィジカルアセスメントは『呼吸の状態を診査する』ということになります。フィジカルアセスメントをするには、知識と技術が必要です。今日は、その必要な最低限の知識と技術をみなさんに紹介して、一緒に練習していこうと思っています」と話しました。また、築田講師は、呼吸フィジカルアセスメントを行うにあたって、予め肺がある位置を正しく知っておく必要があることや、聴診器を使って肺の異常を発見するには、まずは健康な人の正常な呼吸音を知っておく必要があることなどを説明しました。

 

実習

続いて、実習室に移動して行われた実習では、参加者1人ひとりに聴診器が貸し出され、築田講師から聴診器の構造や使い方について説明がありました。

参加者は、学生のサポートを受けながら、聴診器を使って自身の呼吸音や周りの参加者の呼吸音を聴き、正常な呼吸音の確認をしました。その後、2つのグループに分かれて、成人のシミュレーターを使って病気のある人の呼吸の音を聴く実習や、スパイロヘルスメーターを使用する実習などを行いました。

 

小児のシミュレーターを使って、病気のある人の呼吸の音を聴く実習

 

スパイロメーター(肺の呼吸機能を検査するための計測機器)を使用しての肺活量測定及び努力性肺活量測定

※肺活量測定には2種類あり、肺活量測定と努力性肺活量測定がある。前者は、息をゆっくりと最後まで吐ききったところから、ゆっくりと空気を胸いっぱいに吸える量を測定するのに対し、後者は、胸いっぱいに空気を吸ってから、できる限り勢いよく一気に吐き出した空気の量を測定する。

 

パルスオキシメーターを使用しての酸素飽和度の測定

実習後は教室に戻り、築田講師から病気の人の呼吸音や肺の機能に関する解説がありました。講座の最後に築田講師は、「われわれ医療者は、今日みなさんに体験していただいたようなことを患者さんに対して行い、呼吸のフィジカルアセスメントを実施しています。もし、みなさんが『将来、看護師になる』と希望されて看護学部に入られたら、こうした知識と技術を身につけていただくことになります」と参加者に向けて語りました。

 

最後に、看護学部の西池絵衣子講師が閉会に際しての挨拶をしました。西池講師は「健康な体というのは、とても大事なもので、自分のやりたいことなどをするときには、体が基本になってきます。自分の体のことを知る機会というのは、なかなかないことだと思うので、今日ここで勉強したことを少しでも何かに活かしてもらいたいと思います。そして、普段から自分の体に関心を向けることはとても大切なことなので、今日の機会をきっかけに少しでも自分の体に目を向けて欲しいと思います。看護学部は、今日みなさんに体験していただいたようなことを学びながら、臨床で病気の人や健康な人の体を診たり、指導したりするような看護師などの仕事を目指すところですが、将来はそういうところにも関心を持っていただけたら嬉しいです」と挨拶し、講座を結びました。

 

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