最初にキリッとした味わいが口の中に広がったと思うと、その後にやってくるふくよかな味わい…魚や鍋などの食事とよく合う日本酒、「う米ぜ!」。
本学が大学ブランド商品として「う米ぜ!」を製造・販売するためのプロジェクトを立ち上げてから、今年で9年目を迎えました。このプロジェクトに取り組むのは、環境人間学部の特別フィールドワーク「農で食育を考える」を履修する学生です。
管理栄養士として活躍する人材を育成する同学部 食環境栄養課程は、先端食科学研究センターを中心として、地域とのつながりを活かした食に関する大学ブランド商品の開発を一つのミッションとしています。
2012年5月から同センターにおいて、地域の協力の下、学生が主体的に取り組む「う米ぜ!」プロジェクトが始まりました。
商品開発にあたり、日本酒を選んだ理由の1つに兵庫県の風土が挙げられます。兵庫県は良質な水が豊富で、気候や土壌が適していることもあり、米と酒は他地域に負けない産品といえます。加えて、酒は日本を代表する文化の一つであり、日本の誇る発酵技術も酒の味に大きく影響します。
本プロジェクトは、学生が単に商品を開発するだけではなく、食(食卓)と農(生産地)を結びつける教育を目的としています。そこで、日本酒であれば、田植えから稲刈り、仕込みにまで学生が参加し、地域に根差す日本の文化を学びながら食と農について学習できると考えました。
兵庫県の大自然に触れ、食と農について学ぶ ※写真は2019年のものです
日本酒を製造すると決めたものの、本学にはそのノウハウがありませんでした。そこで、兵庫県内の酒造について詳しい、兵庫県立工業技術センターに相談しました。
同センターに米の品質評価、発酵管理について協力いただくとともに、酒造会社として明石市の茨木酒造合名会社を紹介いただきました。実際に訪ねて思いや計画を説明したところ、小規模の生産にも関わらず、快くお引き受けいただきました。
米づくりに関しては、茨木酒造合名会社が所有する神崎郡市川町の水田をお借りし、田植え等の作業を行うことになりました(現在は同社の保有する明石市魚住町の水田で行っています)。
そして、米の品種についても話し合いを重ねた結果、酒米の代表品種の一つである「五百万石」を採用することになりました。これは、淡麗な味わいにしたい、そして何より、高級酒を目指すのではなく、できるだけ多くの人に味わってもらいたい、と考えたからです。
学生たちが米づくりを行う水田
日本酒製造の見通しが立つと、いよいよ学生のフィールドワークが始まりました。のちに商品名となる「う米ぜ!」という名称も、このフィールドワークを通じて学生が発案したことがきっかけとなっています。
実際に学生が取り組む様子については、後編でご紹介したいと思います。
2019年5月から製造に取り組んだ日本酒は「う米ぜ!2020」として、2020年10月より本学各キャンパスの大学生協にて販売しています。
兵庫県の大自然の下で育った豊かな味わいをお楽しみください。
・「う米ぜ!2020」720mL・・・1,650円
・「う米ぜ!2020」300mL・・・825円
・「う米ぜ!の酒粕塩飴」・・・250円 ※いずれも税込価格
「う米ぜ!」の文字は太田勲学長が揮毫
12月14日(月)に発売された「2021 螢雪時代 1月号」(旺文社発行)にて、「う米ぜ!」の取り組みが紹介されました。159ページに記事が掲載されていますので、こちらもぜひご覧ください。
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