記事検索

  • 学部・組織・所属

  • 記事のテーマ

  • 記事のタイプ

興味関心に正直に学び、コツコツ積み上げてつかんだ大学院への進学

 

奧村友紀さん

工学部応用化学工学科の4年生。勉強との向き合い方に悩み他学部からの転学部や休学も経験したが、工学部では大学院の推薦を得るまでに成長。特技はクラシックピアノ。

 

化学の新書を読んだことで、もっと知りたいと思った

 

 

通っていた小学校が、理科の実験をたくさん行う学校だったので自然と実験に興味を持ちました。中高時代も実験を見せてくれる先生が多かったですし、とても順序立てて説明して下さったので、理系の勉強がますます好きになりました。理系の教科は自分の学んだ知識で論理を組み立てて、問題を解くことができるので楽しかったですね。

 

みなさんは光触媒(ひかりしょくばい)というものを知っていますか?太陽の光のエネルギーで有機物の汚れを分解したり、殺菌したりする効果がある材料で、建築などに使われています。その光触媒について書かれた新書を高校時代に読んだときに、なぜそんなことが起きるんだろうとすごく不思議に思いました。他にも新書を数冊読んでみたら、もっと知りたくなり、化学にますます関心を持ったことが、工学部のなかでも応用化学工学科を選んだ理由のひとつです。

 

 

自分が本当に学びたかった化学工学と出会えた喜び

 

化学工学コースの授業で、液体や気体の動きにはこういう法則がありますよっていう式を知ると、水や蒸気など普段の生活で見ているものが式になるんだなと感動しました。他にも粉体や金属の授業に加えて、工場で物を設計する工程の概論を学ぶ授業もあったので、現場で実際に計算式を使ってものづくりをしているんだ!というイメージを持ちながら学ぶことができました。そういった授業を通して基礎的な論理だけだと見えにくい製造系の研究の楽しさがわかるようにもなりました。

 

化学工学の勉強は自分が興味を持っていたことのど真ん中、ドンピシャな分野を勉強できているので本当に充実していると思います。たとえば先生からいただいた論文を「難しい…ちょっとわからないな…と思いながら読むこともすごく楽しくて、勉強したことがじわじわ理解できて「こういうことなんだ!」って噛み合ったときが嬉しいんです。そのじわじわが欲しくて頑張って読んでいるんですけど、なかなか毎回とはいきません(笑)

 

 

まさか私が!大学院へ推薦入学

 

今、何事にもポジティブに臨めている私ですが、実は以前は、自分に全く自信がなく悩んでいた時期もあって転学部や休学も経験しています。授業についていけなくなったことで、焦りからどんどん自信を無くしてしまったんです。それでも、学ぶことを諦めなくてよかったと思います。1つわかった、もう1つわかった、とコツコツ小さい成長を積み上げたらこんな楽しい学びの世界が待っていたんですから。

 

ただ、4年生になって想定外だったのは、コロナ禍の就職活動に直面したことです。自宅から出られず、キャンパスにも行けません。相談する人が側にいないと気持ちが塞ぎこんでしまいませんか?それに私はオンラインで対話したり、情報を検索して集めたりすることが得意ではなかったので、なかなか思うような就活ができませんでした。エントリーシートづくりも進められなくて……。

 

そんなときに指導教員から大学院への推薦入学のお話を頂いたんです。推薦のお話を頂けるとは全く想像していなかったので、「え?私が?」と耳を疑いました。自分の知らないところで、普段の勉強に取り組む姿勢を先生に評価して頂いていたと聞いて涙がこぼれました。

 

 

人と比較せずに、コツコツ積み上げていく自分を褒めること

 

大学院では、高い温度でも絶えられる磁石について研究する予定です。自動車のモーターなどに役立つものです。それもまた面白くて将来は研究者になることも考えています。落ち込んでばかりだった自分からは信じられないほどポジティブです。勉強との向き合い方で悩んでいた頃の自分に、今声をかけるとしたら「自分のやりたいと思ったことを大事にしてあげて」と、言うと思います。「まわりの子はできるのに自分はできないとか思わなくていいよ、自分がしたいと思うことを自分のペースでできればいいと思うよ」と、言ってあげたいですね。比較するにしても、物事を客観的に見るための比較に留めておいて、自分に自信をなくしてしまうような比較の仕方はしなくていいですからね。

 

 

以前の私はどうしても他人と比較していたし、自分を褒めることができませんでした。いまは、コツコツやっていること、今日できたことを自分で褒めることで一步前に進むことができています。

勉強も大学生活も目先の楽しさじゃなくて、自分の将来に向けて何が必要なのかを考えて、自分の力になるようなことで楽しみを見つけていくというのがすごく大事かなと思っています。だから私は今、勉強や研究が「楽しい」と言い切ることができます。

 

 

COPYRIGHT © UNIVERSITY OF HYOGO. ALL RIGHTS RESERVED.