高橋明日香さん
理学部4年生。中学、高校は生徒会の一員として活動。大学では入学準備ガイダンスで出会った生協学生委員会の活動に参加して、学内外のイベントや学生生活支援に関わる。
中学と高校では生徒会活動をやっていて、人と一緒に何かをつくることがすごく好きでした。生徒会長だったので人前で自分の言葉で何かを伝える機会も多くて、自分の思いをみんなに伝えることで共感が広がっていき、学校行事が成功したことが思い出深く残っています。
兵庫県立大学には、推薦で入学しました。オープンキャンパスに参加したときに、研究室について学生が自ら内容を企画して自分の言葉で説明してくれた印象があって、学生が学んだことをアウトプットできるってことは、それだけしっかり学んでいるんだろうな、と思ってこの大学に決めました。
もともと理系に進みたいと思っていたんです。そのなかでも理学部で学べる内容が一番面白いと思って選びました。今学んでいる内容は、タンパク質の働きについてです。すごくかみ砕いて言うと、タンパク質が体内にあるだけじゃなくて輸送され、ちゃんとした場所に運ばれて機能を果たすことで、生命活動が維持される仕組みについて研究しています。
大学に入る前に入学準備ガイダンスというものがあって、そこで知った生協学生委員会のメンバーになりました。中高と生徒会に入っていたこともあって、学生自身が学生生活をよりよくするために活動していることに魅力を感じたからです。先輩方も自分の言葉で思ったことを、しっかりと人に伝えられる人たちだったので、そういう人になりたいなあと。
生協というと売店のイメージがありますが、役割はそれだけではありませんし、学生が運営にも関わることができます。他大学との交流もありますし、イベントの企画などもします。新入生の友だちづくりイベントや、生活相談会、健康チェックやアルコールパッチテストなども企画しています。
100人を超える人数で活動しているので、一番苦労することはチームづくりです。メンバー一人ひとりとコミュニケーションを取って、得意不得意を見つけて、「こういうことができそうやから一緒にやってみない?」とか、「そういうのが苦手だったら、得意な他の人にこの仕事はやってもらおうよ!」という感じでメンバーの活かし方に気をつけていますね。何を頑張ったかと聞かれたらやっぱり人を活かすことかも知れません。適所にいてこそ活躍できるというのはまるで、今、研究室で勉強しているタンパク質の働きのようですね。
大学生協は社会的課題にも力を入れているので、SDGsやジェンダーの話を聞く機会が多かったです。食品ロス対策についても日本はまだまだ遅れているし、私達は無駄遣いをしています。若い世代が問題提起をしっかりして、社会に広げていくことは大事だなと学びました。ただ、このコロナ禍で会議はほぼオンラインでしたし、そこはすごいダメージを受けました。
今ってコミュニティを全然作れないじゃないですか。1年生は授業もオンラインが中心で友達作りも難しく、2年生は大学に勉強しに行けなかった時期がありました。本来は大学生活って楽しいし、私たちが1、2年生の時は勉強だけじゃなくて、食事に行ったり誰かと旅行したりすることも含めて楽しかったけれど、それができていない大学生ってどういう気持ちなんだろうかと心配になります。そういう気持ちに寄り添う活動が自分たちでもできないかと模索しているところです。
大学で出会った人の中には、この先ずっと関係が続く人もいます。一緒に夢中になれる人と出会って、自分の好きなこと、やりたいことに挑戦してください。新しい感じ方や考え方を吸収することで自分自身を成長させることができます。もしかしたらそれが勉強にも活かせるかもしれないし、頑張ろうという活力になるかもしれないので、やりたいと思ったことにぜひ挑戦してください。
一緒に挑戦するなかで、相手と意見が違うなと思ったら、「あ、そうですか」と受け流していた私が、今では、相手の話を深掘りするようになりました。「なんでそれ思ったの」とか、「なんでこう考えてるの」と聞けるようにもなったし、しっかり人の話を聞こうという態度に変わったんだと思います。お互いの意見の違いから、相手をさらに理解することで、以前より思いをひとつにできることが多いですから。
そのような、「想いをひとつにして一緒に成し遂げる」という考え方が好きなので、これから社会に出ても、たとえば、自分たちと同じような年代の、特に女性が抱えている悩みや迷いに寄り添って、その方の良いところを活かしながら協同できるような仕事をしてみたいですね。
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