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「卒業後の未来の姿を見据えて」 兵庫県内の企業の若手社員の方による講義が行われました

7月11日(月)、神戸商科キャンパスで、兵庫県内の企業の若手社員の方をゲストスピーカーにお招きしての講義が行われました。

 

自己のキャリアについて考え、見つめる

この講義は、全学共通科目の「キャリアデザイン入門(A)」の授業時間を利用して行われ、国際商経学部・社会情報科学部・看護学部の1回生の約70名の学生が受講しました。

「キャリアデザイン入門(A)」では、今後のキャリア(生き方や働き方)について考え、自分自身を見つめ、「実現したい思い」を様々な方法で見つけ、自分らしい行動ができるようになることを目的としています。さらに、充実した学生生活を送るためにも自己のキャリアについて考えることは重要であり、授業では、キャリアデザインの考え方に基づいて学びや活動を取捨選択できるようになることをめざしています。なお、本講義は、本学西地区においても工学部・理学部・環境人間学部の学生を対象に姫路工学キャンパスで開講しています。

 

本学では、平成31年から財務省近畿財務局神戸財務事務所との共催で、「双方向の県内就職支援活動にTRY!」と題して、県内就職率向上のための企画を実施しています。兵庫県では、20代の若年層の転出超過が進んでおり、県内就職率の向上が重要課題の一つとなっています。そこで、学生に兵庫県内の企業の魅力を知ってもらい、就職活動の際に県内就職にも目を向けてもらうことを目的に、神戸財務事務所のネットワークを活用して、県内の企業の若手社員の方をお招きし、ご講義いただく機会を設けています。今回は、ケンミン食品株式会社と日本政策金融公庫にご協力いただき、お話いただきました。

 

兵庫県内の企業の魅力

講義では、はじめに財務省近畿財務局神戸財務事務所統括国有財産管理官の森川敢氏から、地方創生に関する取組をはじめ、若年層の転出超過・県内就職率の低下など、兵庫県が抱える課題について、お話いただきました。

続いて、企業の若手社員の方による講義では、主力商品や主要事業をはじめとした自社の紹介、ご自身のキャリア紹介、学生時代にどのように就職活動をしていたか、現在の仕事のやりがいについて、また、事前に学生から寄せられた質問に対する回答をお話いただきました。

 

本学の卒業生でもあるケンミン食品株式会社管理部経理課の乾孝輔氏は、1回生のときから経理の仕事を希望していたといい、営業職を経て、現在、経理の業務を担当されています。事前に学生から寄せられた「大学生のうちにしておくと良いこと」という質問に対して乾氏は、「仕事ではエクセルを使うことが多いので、大学生のうちに使えるようにしている方が良い。また、興味のあることが見つかったら、そのことについて深く勉強して欲しい」と学生に向けてアドバイスを送りました。

 

日本政策金融公庫神戸支店国民生活事業課長代理の西村美優氏は、現在、金融支援と本業支援の業務を担当されています。ご自身が学生時代に就職活動をしていく中で見えてきたことや、日本政策金融公庫に就職したからこそ得られた経験、仕事を通して、困っている人から必要とされる存在であることを実感できたことなどについて、お話いただきました。また、日本政策金融公庫神戸創業支援センター所長の田村直哉氏から、兵庫県内のスタートアップ支援の現状や支援企業の事例などをお話いただきました。

 

「学び」によって、できることが広がり、チャンスが広がる

お二人のお話の後、質疑応答の時間が設けられました。まず、担当教員で自身も企業での人事採用担当や他大学でのキャリアデザイン講座担当などの経験を有し、キャリアコンサルタントである戎多麻枝講師より、「就職活動における面接では、先に自身が名乗ってから、どなたに質問をさせていただきたいのかを述べて質問しましょう」と指導がありました。

質疑応答では、4名の学生からゲストスピーカーに質問がなされました。

1人目の学生からは、乾氏と西村氏に対して質問がありました。

<質問>

なぜ、今の会社を選びましたか。

<回答>

乾氏:神戸出身なので、神戸にあるケンミン食品株式会社への就職を選択しました。

西村氏:海外志向があったので、国内の会社に就職するか否か迷いましたが、実際に会社の方とお会いして話をしてみたら、居心地の良さを感じたことから、日本政策金融公庫への就職を決めました。

 

2人目の学生からは、西村氏に対して質問がありました。

<質問>

講義の中で「全国転勤がある」と話されていましたが、転勤が多いことについては、どのようにお考えですか。

<回答>

西村氏:転勤に対しては特に抵抗は感じていないです。(日本政策金融公庫に就職するなど)何も機会がなければ、関西に来ることはなかったと思うので、良い機会になりました。

 

また、田村氏から、「日本政策金融公庫では、育児休業やライフプランなど、生き方の多様化に対応できるよう『働いている人の生活があってこその仕事』という考え方から、社内に特例を設けるなど、対応が柔軟になってきている」と話されました。戎講師は、転勤に対する考え方について「自分はどうしたいのか、これから会社はどうなっていくのかというところを見ていくと良いのでは」とコメントしました。

 

3人目の学生からは、乾氏と西村氏に対して質問がありました。

<質問>

テレワークの働きやすさについて、どのようにお考えですか。

<回答>

乾氏:経理の仕事では、テレワークのやりやすさを感じていますが、商品開発の部門は、自宅では対応しきれない業務があり、テレワークでは難しいところがあるようなので、仕事内容によって、向き・不向きがあるのではないかと思います。

西村氏:(自身の)業務の内容を鑑みると、できれば対面の方が良いと考えます。仕事の場面によっては、テレワークの方が効率の良いこともあるので、上手く使い分けて取り入れていくのが良いのではないかと思います。

 

4人目の学生からは、乾氏に対して質問がありました。

<質問>

講義の中で「空き時間を資格取得のための勉強に充てている」と話されていましたが、具体的に、現在、取得をめざしている資格は何か、また、その資格を取得することによって、仕事でどう役立てていくのかお聞かせください。

<回答>

乾氏:大学在学中に簿記3級と2級を取得し、就職して経理の仕事をはじめてから社会保険に関する業務を行うようになったことをきっかけに、社会保険の知識も要するファイナンシャルプランナーの資格を取得しました。現在は、社会保険労務士の資格取得をめざして勉強しています。資格は、仕事で必要だから取得しているといったところです。

 

そのほか、乾氏は、「学生時代にTOEICなど英語の勉強をしていたら、就職活動時や社会人になってから仕事で役立つと思う」と話されました。戎講師は、「資格を取得するなど勉強をして、知識や技能を身に着ければ、できることが広がり、チャンスが広がっていく」「社会に出てからも勉強は続く」とコメントしました。

最後に、戎講師から、乾氏と西村氏のお二人に、仕事に対するモチベーションが下がったときの葛藤の克服方法について質問がありました。

乾氏は、「仕事が合わなくても、異動できる。いろいろな仕事を経験していただけたらと思う」と回答し、西村氏も、「会社の中には、いろいろな仕事がある。辛い状況がずっと続くわけではない」と学生に向けてエールを送りました。

なお、本学では、各キャンパスにキャリアセンターを設置し、学生のみなさんのキャリア形成や就職活動の支援に取り組んでいます。

 

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