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「持続可能な商店街を目指して」 国際商経学部の学生が課題解決型ゼミ活動の一環で商店街の空き店舗で企業等とのコラボショップを出店しました

国際商経学部2年生の学生が課題解決型ゼミ活動「プロジェクトゼミ」の一環で、6月23日(金)から6月25日(日)までの3日間、「ミチニワ」(神戸市中央区の三宮センターサウス通と三宮本通商店街一帯)にある空き店舗で、三宮本通商店街を活性化させることを目的としたイベント「商×大ウィーク ~通り ミチニワ なにがある?~」を実施しました。

 

実践を通じて学ぶ

国際商経学部では、実社会や企業の課題解決に向けて取り組むプロジェクトベースの学びを経験する課題解決型ゼミ活動「プロジェクトゼミ」を開講しており、学生は1年次後期から2年次前期にかけての1年間、いずれかの教員のゼミに所属して活動を行います。プロジェクトゼミでは、経済学や経営学の理論的知識の習得をはじめ、プロジェクトの過程を通じてグループで共同作業を行いながら解決策をまとめる方法や、論理的に解決策を提案する方法などを身につけ、社会に出てから不可欠な基礎力を養うことを目的としており、企業や関係団体など外部の方々のご協力を得て、講義の運営が行われています。

 

このイベントの始まりは、2022年10月に国際商経学部1年生(現2年生)を対象に、三宮本通商店街及び三宮センターサウス通と協力して、当商店街を活性化させることを目的としたゼミが発足したことによるもので、学生たちは商店街の現状分析から開始しました。そこから割り出した商店街が持つ課題の解決に向けて、ゼミ内の各班で企画を立案し、今回のイベント開催に至りました。

 

商店街で、未来の食糧問題や地域課題に取り組む

イベントは、国際商経学部の濵田洋准教授が指導する濵田ゼミ1班、2班、3班の学生と、桑原史郎教授が指導する桑原ゼミ1班、2班、3班の学生が商店街や企業等の方々とともに実施しました。会場となった場所は、三宮本通商店街にある空き店舗で、「ミチニワ」と呼ばれるエリアにあります。ミチニワとは、JR神戸線の三ノ宮駅から元町駅のちょうど中間あたりの、三宮センター街の南側にのびる三宮本通商店街と三宮センターサウス通一帯を指します。このエリア一帯を活性化させようと今年の3月に「ミチニワ」という愛称が付けられました。

 

会場では、環境にやさしく、未来の食糧問題の解決策として最近注目され始めている昆虫食の試食会(昆虫食通販・バズグファーム協賛)や、生産量の少なさから「幻の果実」と言われる淡路島の特産品「淡路島なるとオレンジ」を使用した、「おうちごはんcaféそらまめ」(兵庫県三木市)と学生とのコラボ商品「『三木なるみ(学生考案オリジナルキャラクター)』のパウンドケーキ」の販売が行われました。併せて、川崎重工業株式会社がミチニワエリアの活性化のために開発した、同エリアで使用する専用アプリ「ミチニワPowered by Real D You(リアデュー)」の認知度向上と利用促進を目的に、チラシ配りやアプリの利用の呼びかけも行われ、6月19日(月)には、学生が企画した「アプリのインストール&アンケート回答で、クーポンをゲット!」と題したゲームも行われました。

アプリPRのためのチラシ配り

 

昆虫パウダー入りクッキーの試食の準備

 

淡路島なるとオレンジをふんだんに使用したパウンドケーキ

 

当日は、カネテツデリカフーズ株式会社とプロジェクトを実施している兒山真也教授のゼミ生が考案した「Z世代が思わず購入してしまう、同社の商品を使用したメニュー」のレシピの紹介と既成商品の試食会、株式会社オイシスとプロジェクトを実施している落合夏海講師のゼミ生が考案した企画品の試食会も行われました。

試食いただいた方にはアンケートのご記入を依頼

 

プロジェクトから得た学び

本プロジェクトに参加した学生からは、以下のようなコメントがありました。

 

参加した学生の声

・今回、私は商店街の店舗の魅力発信を目的として、インスタグラムでの店舗紹介記事の作成を行うとともに、イベント期間の広報活動に取り組みました。インスタグラムの紹介記事作成では、実際に商店街に伺い、店主の方へ直接取材することを通して発見した魅力を伝えていきました。まだまだ知られていない魅力が詰まった店舗があることを実感する一方で、インスタグラムだけでは幅広い世代への発信力に欠けることや、インスタグラムの効果を十分に発揮させられなかったことを思い知りました。また、通常の学生生活では経験することのないプレスリリースの作成にも携われたことは、貴重な経験であったと思います。今回、私は主に広報関係の取組をしてきましたが、その中で学んだプロジェクトを進めていく方法やスケジューリングなどを、今後の研究ゼミでの活動や社会人になってからの業務でも活かしていきたいと考えています。

・イベント当日に準備物の抜け漏れが見つかったり、実際にイベントを運営する中で「こうした方が良いのではないか」という改善策が見えてきたりしました。運営前のシミュレーションが非常に大事であることを痛感しました。お客さんがなかなか店内に入ってこない時間帯もあり、呼び込みが大変でしたが、実際にお客さんと接することができて楽しくもありました。

・今後、お客さんを集めなければいけない機会があれば、お客さんのニーズがあるものや、目を引くものを考えたいと思いました。また、何事も準備を徹底し、成功させたいと思いました。

 

学生を指導した濵田准教授は、「この活動は昨年の10月以来検討してきた、商店街の活性化策について、実際に空き店舗に赴いたり、アプリを活用したりするなどして商店街の現状を検証し、分析結果に基づいて方策を企画・実施し、その後の最終プレゼンテーションにつなげていく形のユニークなゼミの一環で行われたものです。関係の皆さまにご協力いただいたおかげで、充実した活動となりました。改めて感謝申し上げます。準備段階は、胃が痛い日々でもありましたが、少しずつ検討を重ねて最終的に一定の形にしてくれた学生たちの頑張りは、大学教員として誇らしい気持ちでありました。地域の活性化は、公立大学としての重要なミッションであり、この試行錯誤したゼミ活動が、学生たちが実際の地域に関心を持ち、そして、自身のキャリアを開拓していくきっかけになってくれればと考えています」とコメントしました。本プロジェクトの過程を通じて身につけることのできた能力や学び、新たに発見した課題など、学生にとって実りの多い機会となったのではないでしょうか。

試食を手に呼び込みをする学生

 

呼び込みをする学生の様子を見守る教員や関係者の方々

 

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