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「自身が社会で働いている将来の姿を思い描き、仕事に対する理解を深める」 協定型インターンシップ・プレインターンシップを実施しました

8月下旬から9月上旬にかけて、1~3年生を対象とした神戸商科キャンパスキャリアセンター主催による協定型インターンシップ等が実施されました。

 

本学では、就職情報サイトや各企業のWEBサイトを介して参加することのできるインターンシップ以外で、本学キャリアセンターが企業・団体と協定を締結して行っている「協定型インターンシップ」、1・2年生向けの導入的なインターンシップ関連プログラム「プレインターンシップ」を実施しています。卒業生が多いなど、本学と縁が深い地元の優良企業や地方自治体等と協定を締結しており、本学の1~3年生の学生を対象としたプログラムを提供していただいています。学生にとっては、対象企業・団体のことや業界についてより深く知ることのできる機会となっています。夏季休業期間を利用して実施しており、今年も8月下旬から9月上旬にかけて県下の地方自治体、企業で行われました。今回は、その中から2つの団体・企業で行われたプログラムをご紹介します。

 

兵庫県立大学 県庁体験プログラム

8月22日(火)、兵庫県庁において、本学の1、2年生の学生を対象とした「兵庫県立大学 県庁体験プログラム」が開催され、国際商経学部と社会情報科学部、環境人間学部の学生18名が参加しました。本プログラムは、公務員の仕事内容を理解すること、また、公務員を志望する学生にとって、公務員としての「やりがい」「なりたい自分像」を本格的なインターンシップの導入プログラムとして低年次の段階から考える機会となることを目的に、兵庫県の協力を得て行っているもので、今回で3回目の実施となります。

 

県庁見学-災害対策センター

当日、参加者は兵庫県庁に集合後、広報広聴課の職員の方によるガイダンスを受け、その後、兵庫県災害対策センターを見学しました。兵庫県災害対策センターでは、兵庫県の災害対策活動の中枢機能を担う災害対策本部室で、危機管理部の職員の方から「阪神・淡路大震災の教訓を踏まえた兵庫県の防災対策」と題して、兵庫県の防災における取組を紹介していただきました。

兵庫県では、阪神・淡路大震災の教訓を活かして、いかなる災害に対しても迅速かつ的確に対応ができるよう、防災体制づくりに全力を注がれており、今回見学させていただいた兵庫県災害対策センターは、その拠点施設となっています。コロナ禍においては、災害対策本部室で知事を本部長とした新型コロナウイルス感染症対策本部会議が開かれている様子がニュース番組で取り上げられたことも多く、その他、鳥インフルエンザなど様々な事案に対処されています。

近い将来起こるとされ、かつ、非常に大きな被害が想定されている南海トラフ巨大地震について学ぶことのできる約10分間の動画が上映され、参加者は、兵庫県における南海トラフ巨大地震・津波対策について理解を深めました。最後に、危機管理部の職員の方は「『平常時に使えないものは、非常時には使えない』ということです。そのため私たちは、防災対策のさらなる充実に向けて、市町村とともに地域における防災力の強化に取り組んでいます。みなさんも、本日のセンター見学を機に、これまで以上に家族と、また地域社会において防災活動の充実にご尽力いただくようお願いします」と話されました。

 

全体説明

続いて、人事委員会事務局任用課任用班の柳原まほろ氏から、県政や県職員の仕事内容など、全般的な説明がありました。柳原氏は、公務員の仕事について「警察や消防、地震・津波対策、学校、公園の整備などは、私たちにとっていわば『あって当たり前のもの』となっています。これらのような『利益は発生しないものの、ないと困るもの』は、すべての人が平等に公共サービスを受けられるよう、公務員が事業を行っています」と説明されました。また、兵庫県の仕事の魅力については、「スケールが大きな仕事も、県民・地域に密着した仕事も経験可能であること」「様々な分野の仕事を経験し、幅広い知識が身につくこと」の2点を挙げられました。

また、採用後のことについて、「新規採用職員については、1人ひとりにマンツーマンの指導員がついて、業務に必要な知識や技法、電話のかけ方や書類の作成方法、上司への報告の仕方、ワードやエクセルの操作方法まで先輩職員が丁寧に指導しますので、全く業務の知識がない方でも順応していけるようになっています」と紹介されました。最後に、柳原氏は学生のうちにしておくと良いことについて言及され、「何でも構わないというふうに思っています。みなさんが日常生活の中でいろいろな人と関わって、いろいろな経験をしていく中で何を学んだのかということが、重要ではないかと思います。『何を学んだか』ということは、その場では気づかないことが多く、後から振り返って初めて気がつくことの方が多いですが、今はどのようなことでも構わないので、一生懸命、何かに取り組んでいただきたいです。それは、勉強、部活動、ボランティア、アルバイト、サークル活動でも、何でも良いと思います。そして、兵庫県職員に限らず、就職活動を行っていく中で、面接試験ではこれまでの経験や頑張ってきたことについて掘り下げて質問がなされるので、今のうちにいろいろなことを経験して、その中で自分がどのようなことに向いているのか、どのようなことをしたいのかを見つけて、そこから得たものについて、今後アピールしていただければと思います」と話されました。

 

先輩職員とのトークセッション・職場見学

全体説明の後、参加者は6つの班に分かれて、本学の卒業生でもある先輩職員の方とのトークセッションと、先輩職員の方の所属課を見学しました。トークセッションでは、相互に自己紹介をしたり、先輩職員の方から、ご自身の兵庫県入職後から現在までの経歴や、なぜ兵庫県職員を志したのか、これまでに所属された部署でされていた仕事内容等についてお話しいただいたり、また、学生から先輩職員の方に質問したりするなど、活発な交流が行われました。

 

トークセッション

 

職場見学

 

ひょうご税理士法人 

財務会計コンサルティングプレインターンシップ企画

9月5日(火)、6日(水)の2日間にわたり、ひょうご税理士法人塚口本店(兵庫県尼崎市)において、ひょうご税理士法人と本学の神戸商科キャンパスキャリアセンターの主催による「財務会計コンサルティングプレインターンシップ企画」が開催され、国際商経学部の2年生と3年生の学生6名が参加しました。

 

ひょうご税理士法人は、1989年8月に開業された兵庫県内でトップクラスの規模を誇る会計事務所で、定期的に新卒採用を実施し、本学の卒業生も活躍しています。「中小企業の経営支援サポート」と「相続関連サポート」の2つのコンセプトをベースに、中小企業の成長・拡大・安定に貢献する事業を展開されています。特に、「参謀役」として、経理・会計領域から中小企業の経営者を支える中小企業経営支援コンサルティング業務や、円滑に相続問題を解決し、悔いのないスムーズな相続ができるよう支援する相続税申告・相続関連コンサルティング業務に力を入れられています。

本プログラムは、ひょうご税理士法人のご厚意により、本学の学生のために特別に実施していただいているもので、今年で2回目の開催となります。

 

1日目

1日目は、他大学の学生も含め、経営者や税理士が会計リテラシーを磨くために、実際に研修の場で使われているボードゲーム「戦略MGマネジメントゲーム」を体験しました。このゲームは、社員を雇ったり、サービスのメニューを開発したり、製品を作って販売したりするなど、参加者1人ひとりが経営者として意思決定しながら利益を出すことを目指すビジネスゲームの1つです。参加者には、事前にマネジメントゲームの流れ等について書かれている推薦課題図書を読んでからプログラムに参加することが勧められていました。ゲームは、「4年間でケーキ屋さんの利益を最大化せよ!」をテーマに行われ、ゲームを通して4年分の経営を体感するとともに、財務三表のうち「貸借対照表(B/S)」と「損益計算書(P/L)」について理解を深めました。また、経営者が未来の意思決定をするための「未来会計」のコンサルティング提案を体験しました。

 

2日目

会計事務所の仕事内容紹介

2日目は、まず、前日の復習を交えながら「会計事務所業界研究!リアルな現場の情報を公開」と題して、ひょうご税理士法人企画室長の吉満正樹氏から、ひょうご税理士法人の業務内容や会計事務所を取り巻く現状、入職後の教育制度やキャリアパス、年収など、会計事務所の仕事についてご紹介いただきました。その中で吉満氏は、会計事務所のコンサルタントとして活躍するために必要な素養として、特にコミュニケーション能力を重視されていることを強調され、「毎年採用活動をしていると『人と話すことが苦手なので、そういうことを避けたいから会計事務所を選んだ』という方がいらっしゃいますが、実態は、そうではありません。コミュニケーションをする場が非常に多く、経営者のパートナーとして深い相談相手になったり、相続関係の業務においては、相続に関係する方たちと故人が亡くなった直後に話し合いをする機会があるなど、高いコミュニケーション能力が求められます。1人でする仕事も限られており、コミュニケーション能力が、会計事務所で仕事をする上で一番大事ではないかと言われています」と話されました。

 

会計コンサルタント体験ワーク

会計事務所の仕事内容紹介の後、参加者は、いわゆる「共同創業者」の立場になって、参加者同士でディスカッションをしながら経営における最適解を導き出す「ひょうご税理士法人 会計コンサルタント体験ワーク」に取り組みました。

 

ワークには、簿記1級取得者で中小企業診断士でもある神戸商科キャンパスキャリアセンターの向井節郎コーディネーターも参加し、学生チームと向井コーディネーターが対戦する形で行われました。

 

学生たちは、最適解を導き出そうと各自真剣な表情で電卓を打ちつつ、活発にディスカッションを行っていました。

 

発表と質疑応答の様子

学生たちは、ワークを通して、日々、様々な大きな決断に迫られる経営者の気持ちを体感するとともに、財務三表のつながりや、キャッシュフロー計算書(C/F)の重要性について理解を深めました。

 

社員座談会

ワーク後に行われた社員座談会では、入社6年目の方から就職活動中のことや、現在携わられている業務についてお話しいただきました。また、学生たちから社員の方へ「働いていて一番辛かったこと」など、積極的に質問をしていました。

最後に吉満氏は、「キャリアを歩み始める最初の1社目はすごく大事であり、また、会計の仕事は、自身がとても成長することのできる仕事の1つです。『会計の道を究めていく』ということも、この先の進路の選択肢の1つに入れていただけたらと思います」と学生に向けてメッセージを送られました。

なお、本プログラムに参加した学生からは、「とても密度の濃い2日間だった」「会計の流れや、世の中の経営者の方が事業を営む中で毎回大変な計算をされていることを知って、すごいなと思った」といった感想がありました。

 

この協定型インターンシップ・プレインターンシップを主催した神戸商科キャンパスキャリアセンター長の濵田洋准教授は、「本プログラムは、多様な企業や団体の方々のご協力をいただいて、一般的な就職情報サイトではアプローチが困難な専門職、地方公共団体、地域企業などへ、長期・短期間のプログラムとして学生を派遣させていただいています。いずれも1、2年生から参加可能で、少人数のグループでより深く職業理解等が進むことを意識してプログラムの構成をお願いしており、学生からも『参加しやすい雰囲気で、具体的なイメージが持てた』という意見が多く、学生のキャリアに関して有益な機会であったことがアンケートからも窺えます」とコメントしました。

 

今回ご紹介した2つの団体・企業の他にも、多様な団体・企業において協定型インターンシップが行われています。ご協力いただいた団体・企業のみなさまに改めて感謝申し上げます。

関連リンク

兵庫県ホームページ

 

今回、体験プログラムをご提供いただいた兵庫県では、今年から「採用サポーター制度」を設けられました。県庁の業務に興味のある大学生等に対し、若手職員(採用サポーター)と1対1で直接対話し、県庁を体感できる制度です。

この制度についてお知りになりたい方は、下記のリンク先をご覧ください。

採用サポーター制度(兵庫県 職員採用サイト)

 

ひょうご税理士法人

 

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