11月9日(土)から12日(火)の4日間にわたって、アクリエひめじ(兵庫県姫路市)において日本知能情報ファジィ学会・SCIS&ISIS2024組織委員会の主催で「SCIS&ISIS2024(2024 Joint 13th International Conference on Soft Computing and Intelligent Systems and 25th International Symposium on Advanced Intelligent Systems)」(第13回ソフトコンピューティングと知的システムに関する国際会議と第25回先進知能システム国際会議)が開催され、工学研究科教授で本学先端医療工学研究所の小橋昌司所長が現地委員実行委員長を、同研究所の八木直美准教授が財務委員長を務めるなど、多くの本学教員が開催に携わりました。
この国際会議は、日本知能情報ファジィ学会(SOFT)と韓国知能システム研究院(KIIS)が共催で2年ごとに開催しており、人工知能(AI)や機械学習、知的制御、意思決定、数理モデルなど、情報科学に関する幅広い分野のテーマについて最新の研究成果や課題を発表・議論する機会となっています。
SCIS&ISIS2024は、観光庁の「大学における国際会議誘致開催促進事業」の一環として、公益社団法人姫路観光コンベンションビューローとの連携により本学が共催して行われたもので、開催期間中は日本国内をはじめ、15か国の大学や研究機関の教員・学生、関係団体の関係者など約400人が参加しました。なお、本記事では2日目の11月10日(日)の様子をご紹介します。
オープニングセレモニー
はじめに、SCIS&ISIS2024大会長(General Chair)を務められた、日本知能情報ファジィ学会会長で東京都立大学特任教授の中嶋宏大会長から開会の挨拶がありました。
SCIS&ISIS2024 General Chair 東京都立大学 中嶋宏特任教授
SCIS&ISIS2024 General Co-Chair(副大会長)大阪大学 村田忠彦教授
組織委員会のメンバー紹介では小橋所長をはじめ、本委員会のメンバーとして役割を担った本学の教員も紹介されました。
プレナリートーク
開会の挨拶後に行われたプレナリートークには、中華人民共和国の広東省広州市にある華南理工大学(South China University of Technology)及び同知能工学学院副学部長のパトリック・チャン准教授が登壇され、「Securing the Future: Ensuring AI Security(未来を守る:AIセキュリティの確保)」と題して、敵対的攻撃に対する機械学習手法の脆弱性と、堅牢性を高めるための戦略について講演されました。
華南理工大学 パトリック・チャン准教授
若手研究者招待講演
昼休憩の時間帯に行われた若手研究者招待講演は、昼食をとりながら参加することのできるランチョンセミナーとして行われました。
講演前に、公益社団法人姫路観光コンベンションビューローの毛利裕也氏から姫路市の概要や観光について紹介がありました。
公益社団法人姫路観光コンベンションビューロー 毛利裕也氏
その後、東京都立大学システムデザイン学部の大保武慶助教が登壇され、「Cognitive Rehabilitation through ‘Computational Systems Rehabilitation’(計算システムリハビリテーションによる認知リハビリテーション)」と題して、リハビリテーションプラットフォームの概念と認知リハビリテーションのための計算アプローチについて講演されました。
東京都立大学 大保武慶助教
座長を務められた大阪公立大学 能島裕介教授
特別セッション
SCIS&ISIS2024の開催期間中には24の特別セッションが行われ、本学の教員が座長を務めたセッションもありました。また、各セッションにおいて、登壇者の発表後には活発な質疑応答や意見交換が行われました。
工学研究科 藤田大輔助教の企画により行われたArtificial Intelligence for Medical/Healthcare Systems(医療・ヘルスケアのための人工知能に関する特別セッション)
座長を務めた本学先端医療工学研究所・工学研究科 藤田大輔助教
小橋所長の研究室に所属する学生が発表を行ったArtificial Intelligence for Medical/Healthcare Systems(医療・ヘルスケアのための人工知能に関する特別セッション)
工学研究科電子情報工学専攻博士前期課程1年生 澤風吹さん「Differentiating Idiopathic Normal Pressure Hydrocephalus Using Multi Head Attention CNN with Diversify-Loss in Brain MRI(VBM解析と機械学習を用いた脳MRI画像における特発性正常圧水頭症の鑑別診断支援)」
工学研究科電子情報工学専攻博士前期課程2年生 近藤功康さん「Real-Time Bed-Leaving Prediction Using a Six-Axis Inertial Sensor and LSTM(6軸慣性センサーとLSTMを使用したリアルタイム離床予測)」
工学研究科電子情報工学専攻博士前期課程1年生 横山颯大さん「Preliminary Experiment on Self-Extubation Detection Using LSTM-based Autoencoder with Touch Sensor(タッチセンサー付きLSTMベースのオートエンコーダを使用した自己抜管検出の予備実験)」
座長を務められた三重大学 盛田健人准教授
登壇者に対して質問をする本学工学研究科 長宗高樹教授
情報科学研究科 円谷友英教授の企画により行われたDiversity, Equity & Inclusion (DE&I) in Soft Computing(ソフトコンピューティングにおけるダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)に関する特別セッション)
座長を務め、発表も行った情報科学研究科 円谷友英教授「Empowering Research and Researchers through DEI: SOFT’s Initiatives(DEIによる研究と研究者のエンパワーメント:日本知能情報ファジィ学会の取組)」
本学先端医療工学研究所 八木直美准教授「Data Science for Female Infertility Treatment on Diversity, Equity, and Inclusion(多様性、公正性、及び包摂性に関する女性不妊治療のためのデータサイエンス)」
質疑応答・意見交換の様子
本セッションでは、円谷教授の研究室に所属する情報科学研究科データ科学コース博士前期課程1年生の小池穂果さんが「Mutual Aid through Team Activity Based on Interval DEA(区間DEAによる相互扶助に基づいたチーム活動支援)」と題して発表しました。
そのほか、会場では姫路観光コンベンションビューローから昼食をはじめ、姫路市内の老舗和菓子店の銘菓などが振る舞われました。また、参加者にアンケートを実施するなどして、姫路への国際会議の誘致について意見聴取が行われました。
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