理学部 竹内 佐年教授(左) 三浦 優太さん(当時4年生)(右)
竹内: 研究室に配属されて2カ月。卒業研究の準備が始まりましたね。
三浦: 本格的な研究は初めてなので、今は文献を読んだり、研究室の仲間と知識の確認をしたりしています。先生も先輩も話しやすくて、研究室の雰囲気もいいので、そこは安心しています。
竹内: 3年生までは講義を受けて理解する“勉強”。もちろんそれが基礎になるんだけど、教科書にないことをやるのが4年生での“研究”です。新しいことだから研究するわけで、答えはどこにもありません。「好きだ」「おもしろい」と思えることが大切で、自分の中のエネルギーがすべて。研究って、これまでの勉強とはまったく違うものなんです。
三浦: 実験をするといっても、今はまだ一人ではできそうにありません。これまでに学んできた基礎を生かして、少しずつできることを増やしていきたいと思います。
竹内: 装置を使うにも知識が必要だし、技術も上げていかないといけない。それができないと実験にならないので、ほかの分野に比べると物理分野の研究はややハードルが高いかもしれませんね。
三浦: どうやって使うのかがわからない装置がまだたくさんあります。1年生の時の数学の先生に「大学は受け身ではだめ。自分が興味を持ったことをやっていくところ」と言われて納得しました。もともとぼくは新しいことを学んで自分の中に入れるのが好きなので、研究も自分からどんどんやっていこうと思っています。
竹内: 考え過ぎると動けなくなるのも研究の難しいところ。頭で考えるより、とにかく動いて、おもしろそうなデータが出たらそこから考えればいいですよ。
三浦 優太さん
三浦: 高校の頃から数学と化学が好きで、大学に入ってからも化学の授業をたくさん取りました。そのなかでも数学を使う物理化学、とりわけ3年生の時に受講した量子化学の授業がおもしろくて、竹内先生の研究室に決めたんです。先生が研究している分子計測にすごく興味があるので、早く実験をしてみたいです。
竹内: ぼくは分子の化学反応がどう進むかを理解したくて、この分野の研究にのめり込んできました。計測装置を自分で作ったり、調整したりして最高の性能を出すのも楽しくてね。
三浦: ものづくりの楽しさと実験の楽しさ、両方が経験できそうですね。わくわくします。
竹内: 三浦さんはエネルギーも基礎力もあるので、経験を積んでいくと研究力がどんどん付くはずです。期待していますよ。
三浦: しっかり研究力を付けて、卒業後はより深い研究ができる大学院へ進学したいです。
竹内: 研究室に配属されてきた4年生とは1人ずつ面接をして、その人のやりたいことや適性を考慮した上で研究テーマの案を提示しています。三浦さんはいくつかの案の中から「これがいいです」とぱっと決めましたよね。将来的な目標をある程度見据えているんだなと頼もしく思いました。
三浦: 今年はぼくを合わせて6人が先生の研究室に入りましたが、それぞれおもしろい研究ができそうです。毎日研究室にこもることになると思いますが、いい研究にしたいです。
竹内: 難しくて複雑に感じる研究も、よく見るとシンプルな原理だったりすることがあります。本質的なところを理解すると、まったく見え方が違ってくるし、そうすると自分の研究がどっちへ向けばいいかも分かってきます。
三浦: 何でも気軽に聞けて挑戦できそうな研究室なので、その点でもすごく心強いです。
竹内: ぼくは伴走者。最初は一緒に走って行くけど、気がつくと、三浦さんが自分の力で走っているというのが理想です。
三浦: まだ想像できませんが、早くそうなれるよう頑張ります。
竹内 佐年教授
竹内: 研究って一人ではできないもの。ぼくも学生の皆さんに教えられることは多いんです。全然考えたことがなかった意見が出てきたりしてね。そういうときはすごくうれしいです。
三浦: 研究には間違いってないですもんね。
竹内: 間違いも失敗もないですよ。むしろ突拍子のないことをやる方がいいのが研究の世界ですから。
三浦: 「これは違う」「これも違う」とやっていって、「あっ、これか!?」っていうような実験ができたら絶対楽しいですよね。
竹内: 楽しい、おもしろいと思うことがいちばん大事です。
三浦: 県大の理学部は、4年生で研究室を選ぶまで、数学でも化学でも何でも勉強できます。おかげでぼくはあれもこれもやってみたうえで、先生の研究室にたどりつけた。それってすごい魅力だと思います。
竹内: 講義も必修科目が少なくて、選択科目が多く設定されています。自分の興味がある科目をたくさん選択できるのは県大理学部の大きな特徴。入学してからいろんな勉強をして、自分の興味がある方向へ進んでいけるメリットは大きいと思います。
三浦: 最近、大学って自分の好きなことをとことん伸ばしていける場所なんだと実感しています。ここに来て、いい仲間にもいい先生にも出会えました。最後の1年、頑張ります!
竹内: 忙しくなりますが、頑張りましょう。どんどん走っていってください。
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