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GBC(グローバルビジネスコース)の留学生2年生全員が再来日を果たしました

 

「今はオンラインだけど、GBCの友達とキャンパスで一緒に学びたい!」

コロナで離ればなれになっていたGBC2年生の留学生40名全員が、再び神戸商科キャンパスに集結しました。

 

 

新型コロナウイルスの影響により、世界経済はリーマンショック後を越えるほど落ち込み、各国には出入国制限が課され、留学生を取り巻く環境はますます厳しくなっていると言えます。今年は、政府が入国拒否の対象を急速に拡大した4月初めより前に入国できた留学生は限られており、ほとんどの人が来日できずにいる状態が続きました。

このような状況下で、昨年春休みに自国へ帰国したままとなっていたGBC2年生の留学生全員が再来日を果たしました。

その実現に向けて、留学生本人の努力はもちろんのこと、本学も継続的な支援を行いました。

 

そこで今回は、全員の再来日が実現するまでの取り組みと、再来日後に行ったウナギ養殖場の見学についてご紹介します。

GBCの留学生2年生とBRIC’s ECO JAPAN株式会社の堀社長

 

 

コロナウイルスの発生、そして入国制限へ

 

2019年9月、現在2年生であるGBCの留学生は、本学にGBC1期生として入学しました。しかし翌年の2020年、世界中で新型コロナウイルスが流行したことで、彼らにとっては想定外の大学生活となりました。

当初はまだ感染者数が少なく、当時1年生だった留学生の中には春期休暇を利用し、祖国へ一時帰国していた人もいました。

しかし、その後もコロナウイルスは収束することなく拡大し続け、各国に出入国制限がかかった結果、一部の留学生は予定していた通りには日本へ戻ることが出来なくなってしまいました。

 

本学はまず、留学生の状況把握に努めました。そして、自国に滞在する留学生の不安を最小限にするために「何か心配なことはありませんか?」「体調はどうですか?」「オンライン授業は受講できていますか?」と密に連絡を取り続けました。また、必要な情報や書類はその都度英訳して伝えるなど、再来日することへの不安を少しでも取り除くことができるように、きめ細やかな対応に努めました。

 

授業では早急にオンライン配信の準備を進め、既に日本にいる留学生や日本人学生も含む、GBCの学生全員が受講できる環境を整えました。配信が始まると「久しぶりー!」というたくさんの声が上がり、画面越しでの再会をとても喜んでいました。

 

GBC留学生が生活する国際学生寮では、椅子の数を減らしてアクリル板を設置した

 

 

ようやく入国制限が緩和、厳しい条件に本学の対応は

 

このような状態が半年ほど続き、ようやく2020年10月1日より、原則全ての国からの留学生について順次入国が認められるようになりました。

しかし、14日間の自主隔離期間や公共交通機関の使用制限が条件となっており、留学生がそう簡単にこれまで通りの生活を取り戻せるものではありませんでした。

 

そこで、本学は全員に対し、空港到着後からの移動や自主隔離について全面的に支援することを繰り返し伝えました。具体的には、公共交通機関の代わりとなる手段の確保や、自主隔離中の食糧の手配などが挙げられます。

その結果、10月2日には3名の学生が再来日する運びとなりました。

続く10月16日には6名が、11月と12月には5名が再来日し、年内に計14名もの学生が再来日を果たしました。半年ぶりに再来日した学生は「At last I am back!(やっと帰ってきた!)」と喜んでいました。

 

本学の関係教職員は、残る1名の再来日に向けて引き続き調整するとともに、再来日した14名には出来る限りの支援を行いました。

特に、食料の手配に関しては文化的な背景等を考慮し、事前聞き取りを行いました。

長旅を終えて関西国際空港に到着し、安堵の表情を見せる学生

 

 

そして2021年2月12日、一時帰国をしていたGBC2年生の留学生全員の再来日が実現しました。

 

 

ウナギから学ぶ「日本の文化」と「世界に展開するビジネス」

 

2月15日、全員の再来日後には初となる施設見学を実施しました。今回はウナギの養殖事業を展開しているBRIC’s ECO JAPAN株式会社にご協力いただき、ウナギの養殖場を訪問しました。なお、学生1名は自宅待機期間中であったため、39名が参加しました。

 

養殖場の大きな水槽を見た学生は「ウナギがたくさん!」「これがウナギ!?」と驚き、たくさんのウナギが重なり合ってじっとしている姿を興味津々で眺めていました。施設には大型のタンクや特許を取得したナノウォーターシステムなどが備えられており、エコでかつ効率的な最先端の陸上養殖技術を学びました。

 

この施設見学は、体験型授業「Program to experience Japan」の一環であり、日本文化の魅力や産業の強みを世界に向けて発信できる人材育成を目的としています。そのため、ビジネス展開だけでなく、資源や環境に配慮した持続可能な漁業技術を通じての社会貢献や、ウナギに関する文化の違いについても説明を受けました。

 

巨大水槽を真剣に見つめる学生

 

見たことのないほど大きく立派に育ったウナギと、全員に提供していただいたウナギのお寿司

 

 

後日、キャンパス内で報告会を行ったあと、施設見学のお礼として感謝カードを作成しました。様々なイラストや文化がふんだんに盛り込まれた、個性あふれるカードが出来上がりました。

 

メッセージカードにそれぞれの想いを綴った

 

 

「留学生にとってフィールドワークは日本を肌で感じる貴重な機会。留学生の再来日が間に合うかどうか、ずっと心配していたので、実施できてほっとしました」と話すのは、「Program to experience Japan」担当教員の1人である国際商経学部の横山由紀子教授。「養殖場を見学して大きな刺激を受け、さらにお土産としてウナギのお寿司までいただき、留学生たちは大喜びでした」と、学生が現地で楽しく学んでいた様子を振り返りました。

今回の施設見学は、持続可能な社会の実現について考えさせられたことも大きかったといいます。「この体験授業を通じて、人や環境に配慮した技術開発によってビジネスを発展させるだけでなく、文化を守り、社会貢献も可能となることも学ばせていただきました。このような素晴らしい機会をいただき、関係者の皆様には深く感謝申し上げます」と話しました。

 

 

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