記事検索

  • 学部・組織・所属

  • 記事のテーマ

  • 記事のタイプ

離れた場所から異常を感知!斜面監視システムの研究がスタートしました

毎年のように起こる大雨による土砂災害。いち早く沿道斜面の異常を感知し、防災管理に役立てる取り組みが始まりました。

山の多い日本では、大規模な土砂崩れや河川氾濫など、災害発生の可能性の高い地域が多数存在しており、大雨の度に注意が必要になります。そういった地域の防災対策工事を進めることは大変重要ではあるのですが、一か所の工事を行うにも高額の費用がかかってしまうため、多くの地域で対策が遅れています。そこで、対策工事が行われるまでの間、地形の状態を常時監視し続けることで災害の兆しを検知し、それを防災につなげようとする試みが行われています。

社会情報科学部長兼情報科学研究科長の加藤直樹教授は、本学社会情報科学部、相模原市、株式会社ザイマックス、株式会社ザイマックス不動産総合研究所の4者で産学官の連携協定を結び、3軸加速度センサを搭載した監視センサによる道路沿線斜面等の防災管理についての研究を始めました。

この研究では、相模原市が指定する沿道斜面に監視センサを設置し、監視システムの実用化に向けた検討が行われます。

斜面に設置した監視センサが、落石や斜面の崩壊などの動きを感知し、クラウドサーバーにデータを送ります。動きはグラフ化され、斜面から離れた安全な場所で変位をモニタリングすることができます。

そして、監視センサから得られたデータを分析し、沿道斜面の監視における異常検知アルゴリズムを開発して、監視システムとしての実用化を図っていこうというものです。

 

斜面に設置された監視センサ

 

崩落の危険がある巨石

 

株式会社ザイマックスは、屋外広告看板の安全管理のため、看板に設置したセンサから得られる角度(傾き)データを用いて状態を常時監視するというサービスを提供しており、加藤教授はその監視データを分析するためのアルゴリズムの開発で協力した経緯があります。

沿道の法面や擁壁等の安全管理にその技術を応用することで、危険箇所の絞り込みや、対策の優先順位づけなど、防災管理に応用できることから、この研究に注目が集まっています。

新しいシステムによる道路防災管理の精度・効率性の向上で、減災につながることが期待されます。

 

 

COPYRIGHT © UNIVERSITY OF HYOGO. ALL RIGHTS RESERVED.