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日経STEAM2022シンポジウムに参加しました

7月28日に大阪府立国際会議場で開催された日本経済新聞社大阪本社主催・日経STEAM2022シンポジウム「常識を打ち破れ!女性活躍推進・SDGsへの挑戦」に、本学から学生団体「S&I club(Sustainable & Inclusion Club)」と国際商経学部のタマシ カルメン准教授が参加しました。

STEAMとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(デザイン、感性等)、Mathematics(数学)の5つの単語の頭文字を組み合わせた造語で、文系・理系といった枠にとらわれず、各教科等の学びを活用しながら、現代社会における問題や課題の発見・解決、社会的な価値の創造に結びつけていくための次世代人材育成の教育手法として注目されている教育概念です。日経STEAM2022シンポジウムは、「常識を打ち破れ!女性活躍推進・SDGsへの挑戦」をテーマとして、「STEAM教育」の普及を図り、国際的課題であるSDGsや、特に国内で課題となっているジェンダーギャップの解消をめざす女性活躍推進と、ダイバーシティ&インクルージョンを推進する人材を関西の地から育成することを目的に、産学で取り組むSTEAM体験型シンポジウムとして開催されました。

 

「学生サミット 未来の地球会議」

シンポジウムのプログラムの1つとして行われた学生によるプレゼンテーション「学生サミット 未来の地球会議」は、自由な発想で未来の地球をより良くするための提案を行うというもので、国内外の高校生・大学生の23チームが参加しました。本学からは学生団体「S&I club」の学生4名が参加し、パナソニック特別賞を受賞しました。

参加メンバーは、今回の発表に向けて、4月から6月にかけて企業や行政機関によるSTEAMワークショップを受講しました。その後、「大学に多様性を!ヴィーガン・ハラルフードの導入へ」をテーマに「未来の地球を良くするためのプロポーザルシート」を作成し、日経STEAMホームページ上で公開されました。

※ヴィーガン…動物性食品(卵・乳製品・蜂蜜を含む)を食べない「完全菜食主義者」のこと

※ハラルフード…イスラム教のルールに則った食品や料理のこと

日経STEAMホームページ(https://steam.nikkei.com/)で公開されたプロポーザルシート

 

プレゼンテーションでは、「大学食堂 3方スマイル計画」として銘打ち、国籍や宗教を問わず誰もが利用でき、食堂利用者・大学食堂・地球の3方にとって、より良い大学食堂にするための方法を提案しました。具体的には、ヴィーガン・ハラルフードの普及活動を行うことにより、ヴィーガン・ハラルの認知向上を図ること、食堂利用の事前予約や混雑状況の把握、栄養管理等を行うことができる「スマイルアプリ」を開発・導入すること、誰もが安心して食事を選ぶことができるように、ひと目見て分かるデザインであるピクトグラムを作成することの3点を挙げました。

ヴィーガン・ハラルフードの普及活動の1つとして7月14日に神戸商科キャンパス内の国際学生寮で行われた「ヴィーガン・ハラルウィーク」の様子

 

スマイル3方計画を実行することで得られる効果としては、誰もが食堂を利用することができるようになること、アプリの予約システムの導入によって、大学食堂の健全な経営につながり、フードロスの削減にも貢献でき、地球にとっても環境負荷の低減になることなどを挙げ、「誰もが笑っていきいきと暮らせる、真にスマイルな持続可能な社会を実現したい」と力強く発表を締めくくりました。発表は、事前収録でのプレゼンテーションとなりましたが、録画映像上映後は、会場内の来場者の方から大きな拍手をいただきました。

表彰式では、パナソニックホールディングス株式会社参与 関西渉外・万博推進担当の小川理子氏から、「私たちもずっと昔から100年以上も家電製品を世の中にお届けしており、食にまつわる製品もお届けしている中で、食品の廃棄やフードバリューチェーン全体を考えている。食という人間が生きる力の源になるところを、これからどういうふうに色々な危機を乗り越えながら持続可能にしていくのかというのを通常の事業で考えていく中で、今回、大学の食堂を利用して、自分たちでヴィーガン・ハラルウィークの実施を試してみたり、スマホアプリを開発して、予約システムからフードバリューチェーンを考えて食品の廃棄をなくすんだという全体を考えた、良い提案をしていただいた。今すぐにでも一緒に何かできるのではないかと思い、パナソニック特別賞に選ばせていただいた」との講評をいただきました。

※フードバリューチェーン…農水産物・食品の生産から消費までの流通工程の中で発生する付加価値を高める考え方

 

「女性研究者育成座談会」

国際商経学部のタマシ准教授が登壇した「女性研究者育成座談会」は、「学びを極めたい」「自分の好きなことを仕事にしたい」という将来を思い描く女子大生や女子高生に向けて、女性研究者から経験談を紹介し、不安の払拭や研究を極める楽しさなどを伝えることを目的に開催されたものです。当日は、来場者からスマホやパソコンを通して、リアルタイムで登壇者へ多数の質問が寄せられました。

座談会の中でタマシ准教授は、「研究者になろうと思ったきっかけ」をはじめ、「どういった人が研究者に向いているか」「研究者としてのゴールや目標」「研究者には男性が多いと思うが、女性であることで不利だったことや有利だったこと」「直接役に立たない研究は軽視されているようだが、それは本当か」といった質問にも積極的に回答していました。タマシ准教授は、「本当にやりたいことがあれば、研究者になれると思う」「『今からこのような研究をしてみたいけれど、誰も興味ないのでは』と思っても、ぜひやってみて欲しい。どこかで役に立つと思う」と、研究者をめざす学生に向けてエールを送りました。

 

また、日経STEAMシンポジウム2022に参加する高校生チームにアドバイスするなど、各プログラムに設定されるゴールに向けて導く活動を行う「学生・大学院生サポーターCheers!」として、理学部の学生1名が参加し、4月から発表まで高校生チームのサポートを行いました。

当日会場では、大学や企業によるブース相談会も行われ、本学のブースでは入試相談とし、ブースに訪れてくださった高校生や保護者の方に、本学や志望される学部などについてご紹介しました。ご参加いただいた皆様ありがとうございました。

 

 

 

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