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「セールス人材の育成プロジェクト、始めます!」 リアルセールス予備校キックオフイベントが開催されました

7月14日(金)、神戸商科キャンパスで、社会情報科学部及び情報科学研究科の学生を主な対象に、社会情報科学部とセールス・インテリジェンス株式会社(本社:大阪市西区)との共同でセールス人材の育成プロジェクト「リアルセールス予備校」のキックオフイベントが開催されました。

 

ビジネスを生み出し、育て、成長させる力を養う

この取組は、社会情報科学部が今年の5月に産学連携活動強化の一環で、リサーチによるソリューションを主翼事業とするセールス・インテリジェンス株式会社と連携協定を締結したことによるものです。今年の9月から7ヶ月間、本学に在籍する学生で起業家を志す学生を対象に「リアルセールス予備校」と称し、在学中にビジネスを創出、早期に黒字化し、その後も事業を継続・発展させていくことができるよう、社会人としての基礎力をはじめ、営業の方法など、ビジネスを育てる力を養う機会が設けられることになりました。講師には、長年にわたって大手企業等で営業活動の経験を積まれ、現在はセールス・インテリジェンス株式会社に所属されている営業のプロフェッショナルの方々をお迎えします。今回のイベントは、本プロジェクトの講師の方々からこれまでの経歴や経験、考え方などをお話しいただき、プロジェクトへの参加を希望する学生については、講師の方々の講演を聞いて、どの講師のOJTを受けるのかを選択することを目的に行われました。

※OJT(On the Job Training)…新人や未経験者に対して業務に必要な知識やスキルを、実務を通じて指導する教育手法のこと。

 

講演

講演では、実際にプロジェクトに携わっていただくことになる3つのチームの講師の方々からお話しいただきました。

 

まず、Aチームの講師である、東京中央支社支社長で北海道支社支社長の平野淳氏から、「2022年ヒット商品ナンバーワン『ヤクルト1000』成功の秘密」と題してご講演いただきました。平野氏は、元株式会社ヤクルト本社広告部長で、2013年に独自理論の「潜在価値開発®」をベースにマーケティング会社を起業され、現在に至ります。講演の中で平野氏は、メディアでも取り上げられて話題になった「ヤクルト1000」がヒットした理由について、著名な方がメディアで自身の購入体験を話したことを一番の理由に挙げ、「自分で自分の商品について話すのではなく、信頼できる第三者から推薦してもらうことで商品の価値が上がる。このことは、営業上、非常に重要である。そういうことをこれからみなさんに勉強していただく」と話されました。また、「起業というと、どうしても新しいアイデアや技術があれば成功するというイメージを持ちがちではあるが、決してそうではない。ビジネスを成功させるために作り上げたいゴールは、販売組織である」と、起業における営業戦略の重要性について言及されました。講演の最後に平野氏は、「営業を科学的に解明し、楽しく学び、一緒に新しい未来を創り出しましょう」と参加者に向けてメッセージを送られました。

 

次に、Bチームの講師である、東京中央支社人材開発戦略室室長の竹中圭一氏と、関西支社戦略推進部長の長谷川俊樹氏から「期待値の超え方~モノではなく、コトを売れ!~」と題してご講演いただきました。竹中氏は、「これまでのビジネスは、プロダクトもサービスも、多機能化・高性能化を追及する『モノ』づくりをし、また消費者も『手に入れること』が喜びや目的で、いかに便利になり、楽になり、いろいろなことができるかだった。これからのビジネスは、その人の生活や人生が変わるような『モノ』の後ろにある『コト』を生み出すことになっていくと考えている。『モノ』をつくるのではなく、『コト』をつくるという視点を大事にしていく人が成功し、世の中からも求められていくのではないかと思う」と話されました。その上で、今後求められるビジネススキルに「未来を思い描く力」と「相手を思い遣る力」の2つを挙げられ、「『未来を思い描く力』については、『今までこうだったから』などという凝り固まった思考や固定観念、常識を取っ払い、自由に自分が信じる未来を具体的に思い描ける力を持つこと、『相手を思い遣る力』については、提供者側・消費者側の双方向にとっての利益をいかに考えられるかということが大事ではないかと思っている。リアルセールス予備校では、このあたりについて詳しくお伝えしていければと思っている」と話されました。また、長谷川氏は「人の印象は、第一印象でほぼ50%構成している。あとの50%は、2回目以降の訪問、長くお付き合いしていく部分で構成されていく。これは『企業の看板で商売するな。まず、自分自身を買ってもらえ』ということである。みなさんには、実際に商談の場を見てもらい、体験してもらえたらと考えている。最低限必要なビジネスマナーをお互い切磋琢磨していけるのではないかと思う」と話されました。

 

最後に、Cチームの講師である、産学官連携事業部長のマーク河合氏から、「Unicorns come true!(通称ユニカム)」と題してご講演いただきました。河合氏は、今回のプロジェクトの話があった際に「大学生のみなさんがセールスのことを実感し、体感してもらえるもので、他方、みなさんの英知や若さを活かせるものは何かということを考えた」といい、「私のチームは、京都に工房がある癒し絵作家『絵描きのやす』の癒し絵を商材にしたいと思う」と参加者に向けて語りかけられました。チームに参加して欲しい人として、癒し絵に関心のある人や起業したいという希望を持っている人等を挙げ、「恐れることはない。失敗しても良い。でも、実行したときに何かしら成功することはあるはず。同時に、準備段階では気づかなかった新しいことが出てくる」と言葉に力を込めて話されました。また、チーム名にある[ユニコーン」について触れ、「私のチーム名『Unicorns come true!』にあるユニコーンとは、ユニコーン企業のことを指し、起業してから10年以内の、10億ドルの価値がある未上場のスタートアップ企業のことで、10憶ドルを今の為替で換算すると1400億円程度になる。1400憶円の企業というと、そう簡単につくれるものではない。でも、『ユニコーンになりたい、ユニコーンを目指すぞ』と言った人でないと、ユニコーンにはなれない。このチーム名にしたもう1つの理由に、みなさんの思考、目標から制限を外してほしいという思いがある。大きな考え、大きな目標を持たないと、大きな思考はできない。ぜひ9月にまた会いましょう」と講演を締めくくられました。

 

講師の方々による講演後には、個別相談会の機会が設けられました。学生たちは興味のある講師の元を訪れ、講師の話に真剣に耳を傾けていました。また、講師の方々も学生たちからの質問に熱心に答えられていました。

 

本プロジェクトの立ち上げを企画した社会情報科学部の笹嶋宗彦教授は、「いくら良いものやサービスを作っても、売る力、セールスする力を持ち合わせていないと、会社は回らない。有名な企業等で実績を挙げてこられた営業のプロの方々から実際の営業を直接学ぶことのできる機会は、なかなかないことなので、この機会を活かして欲しい」と話しました。

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