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環境人間学部主催の「高校生プレゼンフォーラム」 4高校の生徒が本学部教員・学生の前で探究活動の成果を発表!

 

高校生の探究活動。大学として何かサポートできないか。

高校で積極的に取り組まれている「探究活動」。自らテーマを設定して、情報収集・分析し、まとめるというこの探究は、大学で行う学術研究につながる非常に重要な学びといえます。そこで、環境人間学部としてもこの探究活動をより活発にするお手伝いができないかと考え、このたび、「高校生プレゼンフォーラム」を開催しました。

これは探究に取り組む近隣の高校生をキャンパスに招き、本学部の教員や学生の前で活動の成果を発表してもらうイベントです。今回、特に重要だったのが、発表をよりよいものにするために、発表会前に本学部教員と面談し、アドバイスをもらう機会を提供した点です。そして、1月28日(日)午後、4つの高校、生徒30名が集まり、文理にまたがる多様なテーマの研究が発表されました。各発表に対して学部の教員・学生からだけでなく、参加した高校生からも多くの質問や意見が出され、非常に充実した発表会となりました。この記事では、この取組の概要について紹介します。

 

7グループ、8個人の高校生31人が申し込み

今回の取組を企画したのは、環境人間学部のSDGs推進室、広報委員会、中高大連携委員会の教員陣です。2023年度の初めの頃から企画を練り、近隣の高校の先生方との打ち合わせを経て、秋に募集を開始しました。

今回は初めての取組だったため、一般公募ではなく、同じ県立大学の中にある附属高校と、環境人間キャンパスの近隣の数校に学部側から声掛けして募集する形をとりました。その結果、兵庫県立大学附属高校、兵庫県立姫路西高校、兵庫県立龍野高校、姫路市立姫路高校の4校から15件(グループ7件、個人8件)の申し込みを受け付けしました。応募したのは全員2年生でした。

フォーラムに参加しようと考えたのは、「高校の先生からフォーラムについて紹介され、自分たちの探究活動を大学の教員や学生がどう評価するのか知りたかったから」「このフォーラムの後に行われる学内外でのプレゼンテーションに向けて内容を磨きたかったから」といった理由からのようで、探究活動に積極的に取り組んでいる高校生が応募してくれたことになります。

 

本学部教員との事前面談で内容をブラッシュアップ

12月から1月の上旬にかけて、希望するグループ・個人に対して事前の面談が行われました。高校生側が本学教員の研究室に来室する場合、教員の方が高校に赴く場合、また、オンラインで実施する場合と形は様々でしたが、高校生が15分くらいで探究の内容や進み具合について説明し、その後、1時間くらいディスカッションしながら、教員が研究において重要なポイントや改善すべき点についてアドバイスしました。

事前面談の様子1

事前面談の様子2

 

発表会当日。30名の高校生が探究成果を発表

1月28日(日)、環境人間学部の大教室に高校生30名、本学部の教員・学生が約30名の計約60名が集まり、フォーラムが開始されました。開会式では、環境人間学部SDGs推進室の高橋綾子教授による本イベントの趣旨説明のあと、各高校の自己紹介が行われました。

高橋綾子教授(SDGs推進室)

 

その後、2つの会場に分かれて研究発表が進められました。A会場では、言語、学び、地域といった比較的文系寄りのテーマの発表が、B会場では環境、自然、生物など、どちらかというと理系の発表が行われました。

 

各発表につき、発表時間7分、質疑応答12分。高校でも大学でも発表者数が多いと質疑応答の時間が非常に短くなってしまいやすいのですが、今回はせっかくの交流の機会であることから、12分という比較的長めの時間をとりました。その結果、各発表に5人くらいから質問や意見を述べてもらうことができました。本学部の教員と学生からだけでなく、高校生からの質問も多く出て、非常に活発なディスカッションが繰り広げられました。

 

発表会プログラム

A会場

インクルーシブ教育を実現するためには

小林 瑞歩(県立龍野高校)

 

日本語形容詞の通時的な意味変化の傾向

三木 駆人・改發 尚雅・渡邉 佳歩(県立姫路西高校)

 

効率よく小テストの成績を伸ばそう!~あなたは書く派?読む派?!~

藤田 湧喜(県立大附属高校)

 

高校生アスリートの精神状態と記録の関係について

髙橋 咲(姫路市立姫路高校)

 

関西弁を全国へ

後藤 菜々子・平松 佑理・山本 佳奈・渡邉 陽花(県立姫路西高校)

 

地域創生と商店街再生~生活をよりよくするには~

髙松 航大(県立大附属高校)

 

Innovation for Himeji tourism―姫路観光に革新を!―

金場 美優(姫路市立姫路高校)

 

B会場

プラスチックの使用量を削減する~水グミのパッケージ~

後藤 美温(県立大附属高校)

 

プラスチックスクラブの代用品についての研究

泉原 壮汰・鈴木 崇平・湯淺 元晴(県立姫路西高校)

 

ため池が周辺地域の気温とWBGTに及ぼす影響

上川 瑠奈・小林 菜央華・本家 茉桜(県立姫路西高校)

 

酵母を用いた団粒構造の形成手法について

北 伊織・小原 羽乃・竹中 謙太朗・横田 侑真(県立姫路西高校)

 

昔と比べてアレルギーを持つ子どもが増えている原因を調べ、予防法を考える!

藤川 日笑(県立龍野高校)

 

「食」を用いた外来種問題の解決法を確立する

米本 春樹(県立大附属高校)

 

カタツムリの殻における防汚効果について

南 咲妃(県立姫路西高校)

 

特別講義で、言語学の研究者から音声記号について学ぶ。

発表会後、再びメイン会場に集合。言語学が専門の木本幸憲講師から、音声記号(発音記号)についてのショートレクチャー「受験にも役立つ!音声記号から広がる英語の世界」が行われました。音声記号は、音楽における音符と同じで、言語学習において不可欠にも関わらず、しっかりと学ぶことは少なく、抜け穴となってしまっている。音声記号を学ぶことで、単語学習だけでなく、リスニング、スピーキングにも役に立ち、筋道の通った学習ができるようになる。このような説明のあと、子音7つ、母音9つについて、実際に発声しながら学びました。

木本幸憲講師による特別講義

 

講評と閉会挨拶

最後に本学教員から講評が述べられました。A会場については中嶌一憲教授が、「どの発表も素晴らしかった。特に、高校生が他校の生徒の発表に積極的に質問やコメントをしていたことが印象的だった。また、大学生は自身の専門知識を活かして高校生の研究をより発展させるためのアドバイスが多かった。同じ世代の若者が互いに刺激し合う様子が非常に頼もしかった」と評しました。

また、B会場については吉村美紀学部長が「研究方法に関して工夫がみられ、ユニークでチャレンジングなものが多くあって感心した。また、質疑応答のディスカッションを通して新たな課題を見出そうとしていた点も素晴らしかった。これらの経験を通してこれからも頑張っていただきたい」と高校生にエールを送りました。

吉村美紀学部長による講評・閉会挨拶

 

おわりに

この取組の運営を担当した井関崇博教授は「環境人間学部では、これまでも様々な高校とタイアップし、高校生の学びにつながる取組を実施してまいりましたが、今回のイベントもそれに連なるものです。これからも様々な形で高校生の学びと成長に寄与するような高大連携に積極的に取り組んでいきたいと考えています。最後になりましたが、本イベントを開催するにあたり、所属高校の先生方には度重なる連絡調整や生徒の付き添いなどで大変お世話になりました。この場を借りて深く感謝を申し上げます」と話しました。

 

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