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「公認会計士という職業の魅力」公認会計士・監査審査会 青木会長による講演会が開催されました

10月8日(水)、神戸商科キャンパスにおいて、国際商経学部の2年生を主たる対象に開講している専門教育科目「経営学特殊講義B 会計専門職業人の役割」の授業に、公認会計士・監査審査会会長の青木雅明氏を講師にお招きしての講演会が行われ、当日は約250名の学生が受講しました。

 

会計専門職業人の仕事の魅力を伝える

経営学特殊講義Bは、本学の前身である神戸商科大学の元学長で本学名誉教授の故阪本安一先生のゼミ同窓生から、阪本先生の神戸商科大学における会計研究の業績を称え、その名を後世に残すために、また、大学院社会科学研究科会計専門職専攻(旧会計研究科)の開設を機に本学に寄せられた寄附金で創設された「阪本安一先生記念基金」の事業の一環として開講しており、本専攻の瓦田沙季教授が担当しています。本講義では、学生たちに会計専門職の魅力を伝え、会計専門職業人になるための道標を示すことを目的としていることから、社会においてさまざまな立場で会計に関わっている方を講師にお招きし、ご講義いただいています。学生たちにはこれらの講義を通じて、会計専門職は社会的に必要とされる職業であり、目指す価値のある職業であることを理解してもらい、専門職業人としてのキャリアを意識して学習できるようになることを到達目標としています。

このたびお招きした青木氏が所属されている公認会計士・監査審査会は、公認会計士法に基づいて設置された機関で、合議制の機関として金融庁に置かれています。会長及び委員は、衆・参両議院の同意を得て内閣総理大臣により任命され、独立してその職権を行使しています。同審査会の業務には、「品質管理レビュー」に対する審査及び検査、公認会計士試験の実施、公認会計士等に対する懲戒処分等の調査審議の3つがあります。
今回の講演会は、公認会計士という職業への関心を高め、公認会計士試験受験者の増加・視野拡大を図る観点から、会長や委員の方々が全国の大学・高等学校等に赴いて公認会計士の社会的役割や活躍領域の拡大、会計監査の意義等をテーマにした講演をされている同審査会のご協力を得て行われました。

講演会の開催にあたり、青木氏のプロフィールを紹介する社会科学研究科会計専門職専攻長 土田俊也教授

 

長く続く職業人生において、仕事に何を求めるのか

当日、青木氏には「公認会計士という職業の魅力」と題してお話しいただきました。
講演の中で青木氏は、職業選択にあたっては「仕事に何を求めるのか」といった、自分の価値観をしっかり持つことが重要であるとし、「みなさんはこれから職業選択をしないといけないが、私が大学生だった40年以上前と今とでは、一生の流れが違ったものになっている。みなさんは、70歳位まで働かないといけないかも知れない。その中で、どのような職業を選ぶのかについて考えたとき、長い目で見て、職業を選ばないといけない。大学卒業後50年働くことになると考えられるが、常識的に考えて、50年も『同じ仕事』をし続けることができるかどうか。『私は50年、この仕事をし続ける』というのも1つの道です。しかし、多くの場合、『同じ仕事』を50年も続けることは難しい。私は一般企業に勤めたことはなく、長らく大学に勤めていたが、ずっと同じ大学で勤めていたということではない。ターニングポイントというものが、どこかのタイミングで来るものである。そうしたことも職業選択の際に考慮する必要がある。もう1つ、私の大学卒業時と劇的に違うのは情報量である。40年前はインターネットもパソコンもなかった。現在はどちらもある。毎日情報を得ることができ、それらには、日本のものだけでなく、世界中の情報が広がっている。みなさんはそういう時代に生きている。日本だけ、自分たちの周りだけを見て職業を選ぶのではなく、もっと広く、世界中の中から選ぶということも1つの考え方である」と学生たちに語りかけられました。

また、長く続く職業人生をどのように送るのかを考える上で必要なことについて、「仕事をする中で『この仕事をしていて良かった』と思える瞬間がないと、おそらく続かないと思う。『そういうことがなくても続けられる』という人は、それはそれで幸せだと思うが、何か世の中の役に立っているという実感があると続けられると思う」と話されました。
加えて、仕事に何を求めるのかについては、「私は大学教員だったが、何が良かったかというと、自分で自分なりに動けたことである。研究や勉強など、努力して得たものを評価してもらえるチャンスもあった。一般的には、自分が何かを一生懸命しても全然誰からも評価してもらえないような仕事もある。『自分の努力や能力が反映される場所』が私にはあった。そうしたことが反映される仕事として、公認会計士をはじめとした、医師や弁護士、税理士などの専門職が挙げられるのではないか」と話されました。

 

国民経済の健全な発展に寄与する

公認会計士の仕事内容については、資本市場、監査、監査法人、公認会計士・監査審査会がどのようなものなのかについて辿りながら説明されました。その中で青木氏は、「企業が作成した財務書類その他の財務に関する情報に対して、『嘘のない正確な情報である』ということを誰かが保証しないといけない。第三者かつ公平な立場からきちんと内容をチェックし(監査)、投資家などの判断を誤らせることのない情報であること、『これらの情報に不正はない』という信頼性を確保し、保証するのが公認会計士の仕事である」と話され、「公認会計士の仕事はきらびやかな仕事ではないが、世の中に必要とされている、なくなっては困る仕事である。もっと評価されて良い職業だと思っている。また、公認会計士の資格を取得した人の中には、監査法人ではなく一般企業に勤めている人もおり、登録すれば税理士になることもできる。このような会計の仕事は経済を回す中心的存在である。社会には必ず必要な仕事なので、公認会計士の仕事がなくなることはない」と説明されました。

さらに青木氏は、公認会計士になるには2年間で約5,000時間の勉強が必要であるとし、「公認会計士試験に合格するには粘り強く努力することが大切である。試験勉強については、特に会計関連科目はやればやっただけ力がつく。合格を目標にするのではなく、合格した先のことを目標にしてほしい。公認会計士はいろいろなことを幅広く知っておかないといけないので、しっかり勉強しておいていただきたい」と話されました。
また、公認会計士は常に学び続けなければならない職業であるとし、「公認会計士試験に合格したら、監査法人での3年間の実務経験が求められる。受験勉強で得た知識を実際の現場での業務に結びつけることは難しいからだ。その上、公認会計士としてキャリアを歩む中で、それぞれのステージごとに求められるものも異なってくる。公認会計士をはじめとした専門職は、自分が持つ専門的な知識をサービスとして提供する仕事なので、常に新しい知識にアップデートし続けなければならないし、一生勉強していかないといけない。『資格を取って終わり』ではない。しかし、これはある意味喜びである。毎日新しいことを知り、新しいことを見つけ、自身の成長にもつながる。やりがいのある仕事であると思う」と言葉に力を込めて語られました。

 

会計専門職専攻の教員との意見交換会

講演会後には、青木氏と社会科学研究科会計専門職専攻の教員による意見交換会の場が設けられました。
2025年12月実施の令和8年公認会計士試験第1回短答式試験から試験運営の枠組みや出題内容等の見直しが順次行われることとなっている公認会計士試験に関することや、公認会計士の育成に関することを中心に活発な意見交換がなされました。

 

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