マンホールトイレなど防災機能の備わった緊急避難場所でもある、神戸震災復興記念公園(神戸みなとのもり公園)で2021年11月21日、防災減災音楽フェス「BGMスクエアvol.3」が2年ぶり3回目の開催となりました。
このBGMスクエアという名前には
①B(防災)G(減災)M(Music)
②B(Back)G(Ground)M(Music)スクエア(二乗・広場)
2つの意味を持ち、音楽を通じ防災減災について一緒に考えていきたいという願いが込められています。
発起人は本学大学院 減災復興政策研究科修了、現在は本学客員研究員であり、ボイスパーカッションの第一人者であるKAZZこと、桝田和宏さんと、シンガーソングライターで防災士、石田裕之さんが結成された神戸出身の防災音楽ユニット「Bloom Works(ブルームワークス)」です。
イベント運営は、兵庫県立大学 学生災害復興支援団体LANなど関西近郊の学生が中心となり実行委員会を立ち上げ、当日はスタッフとして入場前の感染対策チェックや会場案内等でイベントを支えていました。
司会進行は「Kiss FM KOBE」サウンドクルーで防災介助士である中野耕史さん、「さくらFM」防災番組DJで防災士の近藤栄さんで行われ、音楽フェスでは、関西を中心に活動しているボーカルグループやシンガーソングライターなどBloom Worksを合わせて5組が出演しました。その他、神戸市消防局による消防車両の展示、防災ワークショップとして間伐で薪づくり、公園内マンホールトイレのメンテナンス、津波バルーンワークスなどが行われました。
【神戸市消防局による消防車両展示】
【防火衣 着用体験】
【間伐体験・・避難所の薪として備蓄されました】
【津波バルーンワークス・・・南海トラフ地震で想定される最高津波は高さ34mといわれているため、風船で高さを再現し視認をしてみるワークショップ】
桝田さんも石田さんも神戸出身。桝田さんはボイスパーカッションの第一人者として現在も第一線で活躍していますが、ボイスパーカッションを目指すきっかけになったのは阪神淡路大震災で被災したこと。傷ついた心を癒すのも音楽、元気をもらうのも音楽だと感じたそうです。
その後、プロ活動の傍ら震災の語り部として20年以上、主に学校での公演活動を行っていましたが、月日が経つと経験が昔話のように伝わってしまっている事に葛藤を感じていたそうです。被災経験と共に次世代に防災減災を伝えていきたいと思っていたところ、本学大学院減災復興政策研究科が新しく創設されることを知り受験。減災と音楽をテーマに研究を重ねていたところ、同研究科 浦川 豪准教授が石田さんと桝田さんを引き合わせて下さったことから、防災ユニット「Bloom Works」が誕生したそうです。
【KAZZ(桝田和宏)さんと減災復興政策研究科 浦川 豪准教授】
教訓を活かした防災メッセージをさりげなく、かつどの年齢層にも聞きなじみのよいメロディーをベースに発信することで、いざという時にはメロディーと一緒に歌詞に込められた防災メッセージを思い出し、防災意識を高めてもらうことを目標とされています。
ユニット名Bloom Worksは「笑顔の花を咲かせる研究」という意味だそうです。悲しく辛い思いをしたからこそ、音楽フェスを通じて参加者が共に同じ時間、空間に笑顔になれることの大切さを感じていて、それを広めていきたいというお二人の気持ちを強く感じる1日でした。
【Bloom Works (左側:桝田和宏(KAZZ)さん、右側:石田裕之さん)】
【2021年12月7日 桝田さんが本学客員研究員として国際商経学部の学生に防災講義を行う様子】
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