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安全な方法で空気をきれいに! 紫外線でウイルスを除菌するアクリルスタンドを開発

より効果的に安全に、新型コロナウイルスの感染から身を守る、新しいアクリルスタンドが開発されました。

兵庫県立大学大学院工学研究科及び先端医工学研究センターの本田逸郎教授・河南治教授・高垣直尚准教授らの流体工学研究グループが、フェニックス電機株式会社との共同研究により、紫外線でウイルスを除菌するアクリルスタンドを開発しました。

2020年3月11日に新型コロナウイルス感染症COVID-19のパンデミックが宣言されて以来、社会の様々なシーンにおいてウイルス感染対策が求められています。

もちろん、パンデミック以前にも除菌・消毒用品は世間に数多く出回っていました。しかし、今回の新型コロナウイルスは感染力が非常に強く、特に医療機関や飲食店では、より効果的な感染対策防具が必要とされています。例えば、パンデミック宣言後には、感染対策として飲食店のテーブルにはアクリル等の仕切り板が設けられました。

空気中に浮遊するウイルスやウイルスを多く含んだ飛沫(ひまつ)を時々刻々と追跡するのは非常に困難ですが、大学工学部で学ぶ初歩的な流体工学の知見を用いると、髪の毛の太さの僅か100分の1程度の大きさであるこれらの粒子のほぼ全てが空気の流れと共に浮遊することがわかります。

そこで、本学の流体工学研究グループは、フェニックス電機が開発した紫外線消毒システム『アルカディエアー』の小型版を取り付けたアクリル板の周囲に、流体工学的知識と技術を用いてウイルスや飛沫を効果的に吸引する流れ場を発生させ、その紫外線消毒機能を効率的に働かせることができるアクリルスタンドの開発に取り組みました。

 

アルカディエアー

 

上部に小型アルカディエアーを取り付けたアクリルスタンド

本研究では、ウイルスや飛沫は呼吸の流れに乗って拡散・吸引されることから、呼吸時の口周りおよびアクリル板周辺の空気の流れに焦点を当て、レーザーを用いて空気の流れを可視化する実験を行うと共に、アクリルスタンド有無による違いを詳細に検証しました。

その結果、空気の流れの可視化に成功し、ジェット状に噴出した呼気はアクリル板表面に衝突し、その後スタンド上部に備え付けられた紫外線消毒部に効果的に吸引される様子を明らかにしました。

この消毒機能付きアクリルスタンドにより、ウイルスや飛沫の拡散を効果的に抑え、ひいては、COVID-19感染対策に寄与することが期待されます。

 

 

空気の流れを可視化した動画(左:装置なし、右:装置あり)

 

 

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