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兵庫県立大学政策科学研究所主催 2022年度第1回シンポジウム 「ウクライナ侵攻後の世界経済:ロシア・中国・インド」が開催されました

6月6日(月)、兵庫県民会館で、兵庫県立大学政策科学研究所主催・北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター共催の2022年度第1回シンポジウム「ウクライナ侵攻後の世界経済:ロシア・中国・インド」が開催され、会場・オンラインあわせて約200名の方が参加されました。司会は、兵庫県立大学政策科学研究所の落合夏海講師でした。

 

シンポジウムの開催趣旨

現在進行中のロシアによるウクライナ侵攻は、多くのウクライナの人々の暮らしと命を奪い、そして、ロシア兵もロシア国民も苦しんでいるという筆舌に尽くしがたい状況になっています。その影響は、全世界に及んでおり、日本も例外ではありません。侵攻後に生じたエネルギー、鉱物資源、金融、外国為替市場の混乱は、コロナ禍に疲弊した世界経済にさらなる打撃と不確実性をもたらしつつあります。

今回のシンポジウムでは、侵攻の背景とウクライナの現状を踏まえた上で、G7主導の強力な経済制裁下にあるロシアと、侵攻後もロシアと緊密な関係を維持する中国とインドの経済に焦点を当てながら、世界経済の動向に関する検討を行うことが企画されました。

 

開会に先立ち、太田勲学長から開会の挨拶がありました。太田学長は、政策科学研究所について紹介し、「ウクライナ侵攻でエネルギー問題は、ますます複雑で不透明になってきており、生まれ変わった政策科学研究所の重要性が一段と増してきております。この意義においても、本日の先生方のご講演、ご討論、大変興味深く、本学にとっても意義深いものがあると考えております」と挨拶の言葉を述べました。

 

次に、政策科学研究所長の草薙真一教授から、シンポジウムの開催趣旨と登壇者についての紹介がありました。

 

第1部 講演

第1部の講演では、4名の講師が登壇されました。

まず、神戸学院大学経済学部の岡部芳彦教授から、「ウクライナ・ロシア戦争と今後の世界」と題した講演がありました。岡部教授は、今回の侵攻がなぜ起こったのかを考えるにあたって、妄想の歴史観、魔法的リアリズム、リアリズムVS魔法的リアリズムの3点をキーワードに挙げ、ロシアとウクライナの関係について、講演されました。

 

次に登壇されたのは、北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターの田畑伸一郎教授です。田畑教授は、「ウクライナ侵攻とロシア経済」と題して、ロシアのウクライナ侵攻による影響を考えるにあたって、ロシア経済への影響、エネルギー市場への影響、世界経済への影響について、講演されました。

 

続いて登壇されたのは、駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部の星野真講師です。星野講師は、「ウクライナ侵攻と中国経済」と題し、「世界経済4つのリスク」として、米中対立、新型コロナ、米国のインフレ、ウクライナ侵攻の4点を挙げられ、中国がこれからどうなっていくのか、ウクライナ侵攻後の中国経済の現状と展望について、講演されました。

 

4番目に、本学の福味敦教授が登壇し、「ウクライナ侵攻とインド」と題して、今回の侵攻後にインドが示したロシアへの外交上の配慮と、原油輸入の背景について、「インドの『残念』な対応の背景」、「国内事情から考える」、「今後の見通し」の順に、講演しました。

 

第2部 コメント・ディスカッション

第2部では、まず、神戸大学大学院経済学研究科の梶谷懐教授から、第1部での4つの報告を受けてのコメントがありました。その後、4名の登壇者に対して3点の質問があり、また、参加者からも質問が寄せられ、登壇者から回答がなされました。

 

最後に、草薙所長から閉会の挨拶があり、実りある議論ができたことなど、感謝の意を伝えられました。

シンポジウム第1部の冒頭では、岡部教授の呼びかけにより、ロシアのウクライナ侵攻によって命を奪われた人たちに向けて、黙祷が行われました。戦況は、二転三転している状況ではありますが、平和的な解決がなされることを願っています。

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