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看護学研究科の修了生にモンゴル国立医科学大学から「モンゴル国立医科学大学80周年名誉勲章」が授与されました

9月28日(水)、本学の看護学研究科博士課程災害看護グローバルリーダー養成プログラム(DNGL)の修了生で、国立研究開発法人国立国際医療研究センター国際医療協力局の池本めぐみ氏(2020年修了)に、モンゴル国立医科学大学から「モンゴル国立医科学大学80周年名誉勲章」が授与されました。

(左から)池本氏とモンゴル国立医科学大学のN.Khurelbaatar学長

 

「モンゴル国立医科学大学80周年名誉勲章」は、モンゴル国立医科学大学80周年を記念し、モンゴルにおける教育、科学、医療分野で著しい功績を上げたことを評価して授与される勲章です。

池本氏は、2000年に神戸市看護大学短期大学部を卒業後、臨床現場で看護師としての経験を積まれました。その後、語学留学の期間を経て、新潟大学医学部保健学科に編入学され、大学卒業後は医療機関の看護師として再び臨床現場に戻られました。2015年に本学大学院看護学研究科の5年一貫性博士課程に入学され、災害看護グローバルリーダー養成プログラムを修学されました。2020年に国立研究開発法人国立国際医療研究センター国際医療協力局に助産師として入職され、2021年4月から独立行政法人国際協力機構(JICA)モンゴルにおける「医師及び看護師の卒後研修強化プロジェクト」の長期派遣専門家として着任され、現在も、モンゴルでモンゴルの医療の質の向上に貢献することをめざして、看護師及び助産師の卒後研修体制の未整備等の課題解決に向けて取り組まれています。

 

今回の名誉勲章の授与を受けて、池本氏からコメントをいただきました。

 

名誉勲章の授与を受けて

2022年9月29日から10月1日にかけて、モンゴル国 国立医科学大学の80周年記念イベントが開催されました。イベントに先駆け、9月28日にモンゴル国立医科学大学のN.Khurelbaatar学長から直々に「モンゴル国立医科学大学80周年名誉勲章」をいただきました。勲章には、「教育、科学、医療分野において効果的に働き、高い業績を上げたことを評価し、モンゴル国立医科学大学80周年名誉勲章で表彰します」と書かれています。助産師の卒後研修強化に関する活動がモンゴルの母子保健やサービスの向上につながると高く評価されたということですが、私は、このような身に余るものをいただくことを想像していなかったので、とても驚いたというのが正直なところです。すべての活動は、モンゴル国立医科学大学の教員、モンゴルの助産師、保健省・保健開発センター、日本側などすべての関係者で実施したものであり、すべての関係者の勲章であると考えています。

また、一番嬉しかったことは、モンゴル国内の動きとして助産の分野に光が差し込んだことです。助産の分野のさらなる発展が、モンゴルの母子・女性へのよりよいサービス提供、よりよい人生につながるのだと確信しています。

2022年9月28日に行われたモンゴル国立医科学大学の80周年記念イベントにて

 

現在の活動の中で、看護学研究科博士後期課程(共同災害看護学 災害看護グローバルリーダー養成プログラム(DNGL))での学びが生かされていること

DNGLでは、「人間の安全保障を理念として活動する能力」「いかなる災害状況でも『その人らしく健康に生きる』ことを支援できる能力」「個人‐家族‐集団‐地域‐国際においてグローバルな支援から制度やシステムを変革する能力」など8つの能力を獲得することがめざされていました。大学院では、研究活動だけでなく、災害現場での支援、国際会議への出席、国際機関におけるインターンなど、とても多くの経験をさせていただきました。在学中のこれらの課題には、個人から地域、国レベルなど、様々な立ち位置から真のニーズをくみ取り、課題解決に向けた試行錯誤を繰り返し、そこで出逢う方々を含めて活動してきました。先生に「虫の目と鳥の目を持ちなさい」とご指導をいただいたことが、まさに、今も大切にしていることです。また、どの課題にも正解がないことが多く、問題解決のダイナミックな過程の中に、その人と成りや人間性があらわれると思います。私は、「母子のよりよい人生への願い」の信念と、1人の人として誠実にありたいと考え、活動を続けています。この姿勢は、DNGLで学び、心から大切だと思える自分の軸になっています。このように活動できるのは、DNGLの5大学(兵庫県立大学、高知県立大学、東京医科歯科大学、千葉大学、日本赤十字看護大学)のすべての先生方のご指導と教育課程、ともに学修した同志のおかげであると、心から感謝しています。

大学院在学中に国連防災機関の科学技術会議に出席

(左から1人目:池本氏、2人目:看護学研究科 増野教授)

 

大学院在学中にスイスのジュネーブで行われた第71回世界保健機関(WHO)総会に

世界看護師協会の学生代表団の一員として参加し、総会で意見を述べる池本氏

 

今後の展望について

今後も、モンゴルの女性や子どもたちのためにモンゴルの関係者のみなさまと助産師の卒後研修の体制構築を、現場の声を大切にして進めていきたいと思います。また、国立国際医療研究センター国際医療協力局の助産師として、日本政府の国際的な保健分野の文書・看護の国際的な文書(過去には、「世界の看護2020」日本語仮訳、「看護と助産のグローバル戦略の方向性2021-2025」の作成段階でのコメント・日本語仮訳)へのコメントを出すことや、低中所得国などにおける医療保健分野に関する研究などを行います。さらに、個人の活動としては、一般社団法人日本助産学会の災害対策委員会に属しているので、委員会で作成した『減災ドリル』を活用し、助産師、妊産婦、新生児、女性や子どもなどの減災を促すことができるような活動にも取り組み、日本国内の減災にも寄与したいと思います。

モンゴルでの活動風景(左から4人目が池本氏)

 

池本氏の今後ますますのご発展とご活躍を祈念しています。

 

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