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看護学部3回生が演習でCOVID-19感染拡大予防啓発動画を作成

 

「COVID-19が流行する今、どのような人に、どんなことを、どうやって伝えたらいいのだろう…」

看護職を目指す学生が、COVID-19流行下での行動へのメッセージを込めたショートムービーを作成しました。

 

 

1月22日に、看護学部の授業「コミュニティ・公衆衛生看護技術演習」が最終回を迎えました。これまでの授業で学んだ内容を踏まえ、COVID-19 感染拡大社会において人々に適切な行動を普及啓発する動画を作成し、各グループによる完成動画の発表審査会をオンラインで開催しました。

 

この日に向け、看護学部3回生約100名が1グループ5名程度、計20グループに分かれ、それぞれ、COVID-19感染拡大を防止するために「どのような人をターゲットに」「どのようなテーマで」「何を伝えるか」を学生自身が決め、1~2分間の動画を約1ヵ月かけて作成しました。

動画を作成するにあたり、学生はCOVID-19やその関係で起きている社会問題等を自己学習しました。また、現場の保健師を招聘した講義も行い、保健所で起きている問題や住民からの相談内容など、現状について学びました。

 

発表審査会当日は、幅広い視点から審査してもらうために、本学の環境人間・経済・経営学部の3・4回生6名、地域活動を担っておられるシニア世代や子育て世代の方々6名を審査員に迎え、オンラインにてご参加いただきました。

 

発表方法は、まず20グループを内容やターゲットが重ならないようA~Cの3チームに分け、チームごとに用意されたZoomルームに割り当てました。

オンラインにて参加していただいた学生審査員と一般審査員には、事前に依頼していた担当チームのZoomルームに入室していただきました。来校していただいた一般審査員3名はそれぞれ別の教室へご案内し、担当チームのZoomルームの様子をご覧いただきました。

 

準備が終わると、3チームは同時進行で発表を行いました。審査員は、動画の内容やプレゼンテーションの様子など6項目に分けられた採点表に点数を記入し、教員にメールで提出しました。

 

全てのZoomルームで発表が終わると、参加者は全員Zoomのホームに集合し、そこで審査結果が発表されました。

チームごとに最高得点作品を決定したところ、Cチームからは同率1位となった2作品が選ばれました。そして、最高得点を獲得した4グループの作品を、今度は全員で視聴しました。

 

グループ別動画テーマとターゲット (★は各チームで1位に選ばれた作品)

 

各チームの発表の様子・内容について

各チームで1位になった作品を以下にご紹介します。

 

テーマ:その判断大丈夫?周りのことみえていますか?

    ~周囲の人も守るために今からできること~

内容   :SNSで友人が遊んでいる様子を見て、自分も「少しくらい、いいよね」という意識から友人を食事に誘うが、そこで感染して、PCR検査をすると陽性が判明。保健所から「2週間前の行動を教えてほしい」と積極的疫学調査の連絡が入り、自分の軽率な行動が家族や周囲に迷惑をかけたことを反省し、大学生自らができる感染予防を考える作品。

※イラストはオリジナルで、内容も大学生のあるある場面を示した。

 

 

テーマ:新型コロナウイルスに感染しない、させないために

    ~通勤通学時編 4つのポイント~

内容   :たこを人間に見立て、兄妹のたこが、電車内で新型コロナウイルスに感染しやすい場面を取り上げ、対策方法を会話形式で紹介する作品。

※明石市民向けの為、親しみやすさを考えてキャラクターにたこを使用した。兄妹の会話も関西弁で「くすっ」と笑える。

 

 

テーマ:見直そう!感染対策方法

内容   :感染予防、自分は「できている」と思っているが、実は「間違っている」「できていない」場面(不要不急、手指衛生、マスクの着用)を取り出して、正しい方法をエビデンスやポイントを押さえながら紹介する作品。

※学生自らが被写体になり、看護学部以外の大学生にも伝わる言葉で説明している。

 

 

テーマ:新型コロナウイルスの終息に向けて、みんなで協力しよう

内容   :新型コロナウイルス感染症が流行拡大している状況を、数値や表で示し、子どもから高齢者、医療従事者まで様々な人たちが、感染拡大を終息させるために頑張っていることをテレビ報道の画面を使って紹介。最後に「あなたも一緒に頑張ってみませんか」と訴え、視聴者の心に刺さる作品。

※それぞれの立場で頑張っている場面を紹介し、見ている人の心に訴え、見終わった後に自分ができることを考えさせられる。

 

全体を振りかえって...

動画を見た学生審査員からは「日常で見かける行為が多く取り上げられていたので、今後気をつけたい」「自分の行動を反省するきっかけになった」というコメントがあり、さっそく予防啓発として一定の効果があったようでした。また、「看護学部ならではのエビデンスに基づく情報が多いのがよい」という専門性の高さを評価し、「この動画をもっと大々的に発信して、多くの人たちに見てもらえたらいいのに」という嬉しいコメントももらいました。

シニア世代・子育て世代の審査員からは、「どの動画も心を動かされる良い内容だった」「この学びを卒業後に活かしていってほしい」というコメントをいただき、学生はとても喜んでいました。また、「学生たちがこれだけがんばっているのだから、自分たちも頑張らないといけないと刺激になった」というコメントもあり、学生がこれまで真剣に取り組んできたことが、審査員にもしっかりと伝わったようでした。

 

例年「コミュニティ・公衆衛生看護技術演習」では、小中学校等でそれぞれの年代に応じた健康教育を実施するプログラムに取り組んでいます。しかし、今年はCOVID-19の影響により、小中学校での実施が困難となってしまいました。

 

そこでCOVID-19流行下だからこそ学べる課題として “COVID-19感染拡大予防啓発動画の作成” を選んだ、と担当教員の牛尾 裕子 准教授は話します。

「大学生等若い世代は、感染予防意識をより高く持つ必要のある世代であり、その世代にある学生ならではの感覚で自由に課題に取り組んでもらうことを重視しました。そして、このような取り組みを通して看護の社会的役割を考えるきっかけにしてもらいたいと思い、それには学生自らがターゲットを決め、内容を自由に考えることのできる動画作成が適しているのではないかと考えました。また、審査員には他学部の大学生に参加してもらうことで、看護学生のこのような取り組みが他学部学生へのインパクトにもつながることも少し期待しました」

制作過程については「看護学生であり、映像制作技術を専門としていないので、どのくらいできるか不明でした。しかし、教員の手助けも必要とせず躊躇なく動画作成に取り組んだので、教員一同たいへん驚きました」と話し、学生のチャレンジ精神を高く評価しました。

「どのようなメッセージをだれに伝えるのかを考える段階は、どのグループも真剣に取り組んでいましたし、撮影はむしろ楽しく取り組んでいました。この1年いろいろな制限を強いられる学習環境の中で、楽しく取り組めたことは良かったと考えています」と1年間を振り返り、COVID-19流行下でも前向きに取り組んできた学生を労いました。

 

 

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